「顧客本位の業務運営に関する原則」を実現するための

社会の持続的発展に向けた取組方針ならびに取組状況およびKPIの公表について

鎌倉投信では、 2017年に金融庁が策定・公表した「顧客本位の業務運営に関する原則」をもとに、「顧客本位の業務運営に関する原則」を実現するための社会の持続的発展に向けた取組方針を独自に制定し、その取組状況を公表するとともに、成果指標 (以下:自主KPI)を公表します。

取組状況ならびに自主KPIについては、当社らしい情報開示を目指し、引き続き検討を続けていきます。

また、2018年に、金融庁から公表された「投資信託の販売会社における比較可能な共通KPI」(以下:共通KPI)を踏まえ、鎌倉投信における共通KPIの実績を公表することとします。

「顧客本位の業務運営に関する原則」を実現するための社会の持続的発展に向けた取組方針

平成29年6月28日 制定

令和3年6月22日 改定

鎌倉投信株式会社

金融の本来の役割は、信頼できる決済機能と投融資を通じた富の最適分配によって「持続的社会を創造すること」にあります。したがって、金融事業者にとって「顧客」とは、預金者や融資先、投資家や保険契約者に留まらず「社会そのもの」といえます。また資産運用者にとっては、投資を通じて「より善い社会をつくる」、すなわち社会の持続的発展に資する事業運営を目指すことこそが、最終的に真の「顧客本位」につながると考えます。

鎌倉投信は、「大切な私たちの資産、産業、文化、伝統を未来へ運び、新たな資産、産業、文化、伝統を創造しながら、心豊かに成長できる社会」を目指し、「投資家の経済的な豊かさと社会の持続的発展の両立を目指し、その実感と喜びを分かち合うこと」の実現を志すといった経営理念に基づき、独自の「顧客本位の業務運営」に取組んでいます。

【原則1】 顧客本位の業務運営に関する方針の策定・公表等

金融事業者は、顧客本位の業務運営を実現するための明確な方針を策定・公表するとともに、当該方針に係る取組状況を定期的に公表すべきである。当該方針は、より良い業務運営を実現するため、定期的に見直されるべきである。

鎌倉投信は、資産運用者としての金融事業者として、「顧客本位の業務運営に関する原則」(金融審議会市場ワーキング・グループ報告「国民の安定的な資産形成に向けた取組みと市場・取引所を巡る制度整備について(平成28年12月22日)」を踏まえ平成29年3月30日制定/令和3年1月15日改訂)に賛同し、その採択と実現のため、「社会の持続的発展に向けた取組方針」を表明・公表します。本方針は必要に応じて見直しをおこない、その取組状況は原則として年度末基準で取りまとめて公表します。

なお、「慎重かつ思慮深い専門家として果たすべき専ら最終受益者の利益を優先する忠実義務と注意義務」等を謳ったフィデューシャリー・デューティ(受託者責任)※1とプルーデントマンルール(思慮深い専門家の原則)※2については、資産運用会社ひいては金融事業者として当然のことだと考えていますので、敢えて表明はおこなわない※3こととしています。

【原則2】 顧客の最善の利益の追求

金融事業者は、高度の専門性と職業倫理を保持し、顧客に対して誠実・公正に業務をおこない、顧客の最善の利益を図るべきである。金融事業者は、こうした業務運営が企業文化として定着するよう努めるべきである。

鎌倉投信は、鎌倉投信の志(経営理念)と運用基本理念に掲げた「社会との調和の上に発展する会社に投資することによって、投資家の長期的な資産形成と社会の持続的発展の両立」、そして、「その実感と喜びを分かち合うこと」に向けたあくなき探求が「お客様を含めた社会の最善の利益」につながると考えています。

当社が考える「長期的な資産形成」とは、運用基本理念に沿って、社会課題を解決する「いい会社」を見つけ、その株式等に投資することで、「お客様の資産を安定的にふやすこと」です。具体的には、不特定多数のお客様を対象に当社が設定・運用する公募型の投資信託「結い 2101」では、お客様の資産を「いい会社」の成長性に見合った収益率でふやすことを目標にしています。株式市場の値動きに大きく依存しない運用を心掛けていますので、比較対象とする指数(ベンチマーク)も敢えて設けません。

そして、「投資はまごころであり 金融とはまごころの循環である」という投資哲学、換言すれば「いい会社がいい会社であり続ける限り応援し続ける」という一貫した投資姿勢を堅持しつつ、収益率目標をできるだけ少ないリスク(価格変動性や値下りする可能性等)で達成するために努力します。

【原則3】 利益相反の適切な管理

金融事業者は、取引における顧客との利益相反の可能性について正確に把握し、利益相反の可能性がある場合には、当該利益相反を適切に管理すべきである。金融事業者は、そのための具体的な対応方針をあらかじめ策定すべきである。

鎌倉投信は、特定の金融・企業グループに属さない独立した運用会社(単一企業)ですので、そもそもお客様との利益相反となる関連会社はありません。また、販売は、販売手数料がない直接販売(直販)のみでおこないますので、販売機能とお客様との利益相反は生じにくい関係にあります。なお、投信業務においては、自己資金での投資信託の設定はおこなわない方針です。
当社において管理すべき利益相反事項は以下の2点です。

①社内各業務間(例;顧客管理業務と投信運用業務、投信運用業務と投資事業業務等)の利益相反
部門間、ファンド間の情報隔壁を適切に管理・運営すること、利益相反に係る役職員の意識醸成、中立性を確保した各種委員会運営ならびに相互牽制が働く内部管理体制を構築し、適切な管理運営をおこなっています。

②当社役職員による有価証券投資
社内規程を定めて厳格に管理しています。当社は、社会やお客様にとって最善のものを提供 したいという想いで、資産運用会社の経営における独立性の堅持・直販という枠組みを大切にしていますが、結果としてこの枠組みは、外部との取引に関連した利益相反が生じにくい体制になっています。

【原則4】 手数料等の明確化

金融事業者は、名目を問わず、顧客が負担する手数料その他の費用の詳細を、当該手数料等がどのようなサービスの対価に関するものかを含め、顧客が理解できるよう情報提供すべきである。

鎌倉投信は、運用会社にとって本原則4.の本質は、お客様に提供する運用戦略で期待される収益見込み(期待収益率)、内在するリスクの透明性・安定性、サービスの対価としていただく信託報酬等の水準の妥当性を説明する努力にあると考えています。当社では、運用戦略上の期待収益率と、それを達成するために必要な運用・管理費用としての信託報酬等の水準比較を、妥当性の目安にしていることから、商品設計時に、信託報酬率を決める上でこの按分方針を一つの目安とすることを定めています。

例えば、鎌倉投信が運用・販売する「結い 2101」の場合、年10%程度の価格変動リスクをお客様に許容いただく中で、長期的な観点での期待収益率は、投資先企業の業績の伸びに照らして信託報酬控除前で年5%(信託報酬控除後で年4%)を目標としています。つまり、「結い 2101」の運用・管理に関わる信託報酬は、運用戦略上の期待収益率に対して20%、お客様への収益配分は80%となります。

「結い 2101」は、販売会社を経由しない直接販売、投資対象は基本的に日本株ですので、    費用体系はとてもシンプルです。主な費用項目は、間接費用である運用管理費用(信託報酬)は、年1.10%(税抜1%)、直接費用である申込時・解約時の販売手数料および信託財産留保金はゼロです。手数料等の具体的金額等は、運用報告書の中で開示しています。

【原則5】 重要な情報の分かりやすい提供

金融事業者は、顧客との情報の非対称性があることを踏まえ、上記原則4に示された事項のほか、金融商品・サービスの販売・推奨等に係る重要な情報を顧客が理解できるよう分かりやすく提供すべきである。

鎌倉投信は、投資信託等の金融商品において真に重要な情報とは、運用商品の根幹をなす考え方と、それを具現化するための一貫した運用戦略・投資プロセスだと考えています。なぜなら、ぶれることのない土台としての考え方、運用戦略を遂行する技術、投資プロセスと結果に対する検証・改善なくして長期にわたってお客様に利益を提供し続けることはできないからです。

【想定するお客様の属性】
当社の理念を十分に理解していただいた上で、長期的な資産形成を目的とし、価格変動リスクを国内株式市場より低く抑えたい方をお客様として想定しています。

【重要な情報の提供方法と主たる内容】
以下の情報を、HP、目論見書、運用報告書、重要情報シート、結いだより(月次運用レポート)、「結い2101」の説明会や運用報告会等でわかりやすく伝えます。
なお、金融商品取引法等で定められた、価格変動リスクや信用リスクによる元本欠損のおそれ、投資信託の信託期間等や顧客が負担する手数料等は、目論見書、運用報告書等を通じてお知らせします。

1.当社が大切にする経営理念
2.当社が堅持する投資哲学
3.当社が提供する金融商品の運用戦略・運用方針
4.金融商品取引法等で定められた、説明すべき基礎的な重要事項
5.運用戦略によってもたらされる期待収益率と、許容する価格変動リスク
6.明示した運用戦略の投資プロセス
7.運用成果の検証
8.同一カテゴリーの投資信託や主要指数との比較

当社は、第二種金融商品取引業として、自己が運用する投資信託の募集・販売をおこなっていますが、提供する金融商品は現状一つであるため、当社の提供する同種の金融商品と比較しての説明はできません。また、複数の金融商品・サービスをパッケージとして販売・推奨 等をおこなうことはありません。

【原則6】 顧客にふさわしいサービスの提供

金融事業者は、顧客の資産状況、取引経験、知識及び取引目的・ニーズを把握し、当該顧客にふさわしい金融商品・サービスの組成、販売・推奨等を行うべきである。

鎌倉投信は、「顧客にふさわしい金融商品・サービス」を、金融商品の商品性やラインナップ、その提供方法(機能性や付加価値)、信託報酬・費用等の総和と考えています。

【商品性やラインナップ】
当社の場合、提供する金融商品は現状一つですので、お客様の資産状況や投資経験等を把握しながら複数の商品ラインナップの中から多様な選択肢を提案するサービスはできませんが、「結い 2101」は、商品設計時に、個人・法人の別や投資経験の有無等を問わず、広く多くのお客様に共通して投資いただき、お客様ご自身にとって適切な金融商品か否かを判断いただけるよう、次のことを念頭におきながら組成しました。

1.鎌倉投信の経営理念や投資哲学、運用方針を明確にする
2.売却を前提とせずに「いい会社」に投資し続ける、というシンプルで分かりやすい運用をおこない、投資先の情報開示を徹底する
3.相対的に価格変動リスクの少ない安定運用を目指す(収益率の高さを追求するのではなく、リスクを抑制し、1リスクあたりの収益性を高める運用をおこなうことで安定した資産形成に貢献する)
4.お客様のポートフォリオの、コア部分の運用商品としても、コア以外の味付けの運用商品(所謂サテライトと呼ばれています)としても使うことができるものにする
5.目標とする投資収益率と許容するリスク水準を示し、その達成状況を説明する

【金融商品の提供方法】
お客様に金融商品を提供する上で一番に大切なことは、投資信託を提供するために必要となる日々のオペレーションの精度や諸手続きの利便性、法令の遵守等です。その機能を疎かにしないよう、あたりまえのことを確実丁寧におこなう姿勢を大切にします。
当社は、投資の果実を「投資の果実=資産形成×社会形成×こころの形成」と定義し、その3つの側面からお客様に心で感じる投資の果実を届けたいと考えています。お客様と永きにわたる信頼関係を築くには、共感できる「価値の定義」と、その伝達力が大切だと考え、それを実践する方法として販売会社を介さない直販に特化し、投資を通じて「いい会社」の取組み等を知る「場」づくりをおこなっています。

運用者である当社がお客様に対して直接運用報告をおこない、その一環として「受益者総会®」や「いい会社訪問®」等を開催し、お客様のお金が資産形成に留まらず社会のよりよい循環に貢献していることを感じていただく取組み等をおこないます。また、勉強会の開催や情報提供を通じて、投資信託の基礎知識や長期的視座に立った資産運用の考え方をお客様に伝え、フォローアップに努めます。
※「受益者総会」「いい会社訪問」は、鎌倉投信の登録商標です。

【原則7】 従業員に対する適切な動機づけの枠組み

金融事業者は、顧客の最善の利益を追求するための行動、顧客の公正な取扱い、利益相反の適切な管理等を促進するように設計された報酬・業績評価体系、従業員研修その他の適切な動機づけの枠組みや適切なガバナンス体制を整備すべきである。

鎌倉投信は、「調和を生む『和』の心を大切にし、『話』と出会い、『輪』がつながる、こうした3つの『わ』が育まれる『場』としての運用会社でありたい」という当社の「ありたい姿」を、以下の取組みによって実現することを、全役職員と共有しています。

1.社会との調和の上に発展する会社に投資すること
2.投資家と運用者はもとより、投資家と投資先の会社が顔の見える関係をつくること
3.社員がいきいきと働く企業風土をつくること
4.株主、取引先、地域社会への感謝の心のもとに接すること
5.鎌倉投信自身が社会・自然環境との調和の上に持続的に発展すること

当社は、経営方針として、規模的拡大を目指すのではなく、商品とサービスの「質」を追求することを確認しています。利益分配については、社員、会社(先行投資や内部留保)、社会、株主等への利益の分配方針をあらかじめ定め、自社や株主等特定の利害関係者(ステイクホルダー)への利益偏重をけん制すると同時に、当社経営理念の1つでもある「営利のみを目的とせず、利益の一部を社会に還元し、会社の利益と社会貢献のバランスを重視した経営」を目指しています。
役職員の報酬体系の基準については、担当している業務に拘らず一律とし、業績評価のためにノルマ達成等の数値目標は設定されていません。課題を達成するために、主体性、協調性(ここには顧客志向も含まれます)、環境への配慮、地域貢献、成長・向上心、受託者責任(忠実義務)、法令遵守など、鎌倉投信の志(経営理念)に求められる構成要素がいかに発揮されたかに重点を置いています。

最後に

「顧客本位の業務運営」を実現する上で最も重要なことは、鎌倉投信の志(経営理念)や運用基本方針の実践に他なりません。日々の経営判断や業務上の判断の根拠が、鎌倉投信の志や運用基本方針に据えられているかが何よりも大切で、私たちは常にそのことを意識していきます。

※1 フィデューシャリー・デューティ :Fiduciary duty

フィデューシャリー・デューティは、「受託者の忠実義務」訳され、信認を受けた者が履行すべき義務のことをいいます。これは、英米において幅広い概念として用いられる、他者の信認を得て一定範囲の任務を遂行すべき者を指す「fiduciary(フィデューシャリー):受託者」が負う様々な「duty:責任」すなわち受託者責任のことを意味します。
もともとは、信託の受託者が委託者および受益者に対して負う義務を指す概念であり、英米法においては、広範な裁量権を有し、財産の処分や管理をおこなう信託の受託者が受益者の利益を第一に考え、裁量権の濫用を防止する法理が判例の積み重ねにより形成されたものです。また、今日では、信託の受託者以外にも、弁護士や会計士、医師など高い専門能力と裁量権をもって他者のために働く者にまで拡張されています。
日本では、2014年9月に公表された金融庁の「平成26事務年度金融モニタリング基本方針(監督・検査基本方針):資産運用の高度化」の中で、「商品開発、販売、運用、資産管理それぞれに携わる金融機関がその役割・責任(フィデューシャリー・デューティ)を実際に果たすことが求められる」と記されたことにより、広く知られるようになりました。ちなみに、この基本方針中の注釈には、「他者の信認を得て、一定の任務を遂行すべき者が負っている幅広い様々な役割・責任の総称」となっています。
なお、フィデューシャリー・デューティの具体的な義務については、説明義務や分別管理義務、忠実義務(利益相反防止義務)、善管注意義務などが挙げられます。

※2 プルーデントマンルール :Prudent man rule

プルーデントマンルールは、日本語で「思慮深い専門家の原則」と訳され、企業年金等の運用関係者が遵守すべき行動基準(行動規範)のことをいいます。これは、元々は米国に由来するルールで、簡単に言えば、「同じような状況の下で各々の職務に応じて同じ専門家としての職責にある人であれば、専門家として能力を活かし、通常用いるであろう注意を払った思慮深い投資行動を取らなければならない」というものであり、日本においても、厚生年金基金や確定給付企業年金などの運用担当者には、本ルールと同様の義務が求められています。
一般にプルーデントマンとは、「慎重かつ思慮深い専門家」を指し、その昔、米国で年金受託者の不始末から年金積立金がほとんどなくなるという事件が相次いだことから、本ルールが定められました。具体的には、1974年に制定されたエリサ法(ERISA:従業員退職所得保障法)において、「資産運用にあたって、信認義務を有する者は、当該状況下で、同様の立場同等の能力で行動し、同様の事項に精通している思慮深い人が、同様の性格および目的を有する資産の管理にあたり行使するであろう注意力・技量・思慮深さおよび勤勉さを用いて、権限を行使しなければならない」(第404条(2)(1)(B))ということが規定されています。なお、類似の趣旨は信託リステートメントにも記載されています。

※3 表明をおこなうことによって、おこなわなかった運用会社は持つべき責任や義務を持っていないというような解釈は問題があるため

取組状況

取組状況

2018年3月基準

  • 4〜4
  • 4

共通KPIおよび自主KPI