投資先の「いい会社」

株式会社 エフピコ

(広島県)設立年:1962年

障碍者がメインストリームで働く、いい会社

食品トレーを製造するエフピコ。
環境を考え、回収したトレーをリサイクルし、その原料から全体のおよそ半分を生産しているのは、エフピコだけです。この会社では障碍者が周辺業務ではなく、リサイクル施設のメインストリームで働いています。障碍者の生産性が落ちれば、それは業績に直結します。障碍者雇用が他との大きな差別化戦略となっています。

2011年8月26日、2013年3月13日お客様と「いい会社訪問」を実施しました!

【特徴 人】

高い障碍者雇用率
2020年3月現在、エフピコの障碍者雇用率は、数ある上場企業のなかでトップクラスの13.3%。法定雇用率の2.2%を上回ることが大変と言う企業もある中、素晴らしい雇用率を誇っています。

メインストリームでの雇用
障碍者雇用率が高い理由は、障碍者がメインストリームで働いているためといえます。通常の会社では、遅延があっても大丈夫なよう、本業が滞らない程度の周辺業務に従事させられてしまうのが現状です。しかし、エフピコでは、リサイクル工場(選別工場を含む)の作業員のほとんどが障碍者。まさに、形式的な雇用ではなく、明らかな戦力としての雇用を行っています。

【特徴 共生】

回収システムと再生技術
国内での食品トレーの内リサイクル製品率が約17%の中で、エフピコの国内マーケットシェアは約34%、エコ製品化率は約50%です。「あれ?」と思われた方もいるのではないでしょうか。34%×50%=17%と、計算が一致してしまいます。そうです。食品トレーを食品トレーにリサイクルできている会社は、エフピコしかないのです。エフピコの回収システムと再生技術がなければ、採算がとれなくなってしまうため、他社はなかなか追随できません。

工場設立とリサイクルの加速
エフピコではリサイクルを加速させています。リサイクル工場の選別部門では9割以上が障碍を持った社員です。契約社員ではなく、一般の正規雇用社員なのです。食品トレーなどの回収は、非常にかさばるため、結果として輸送コストが増えてしまいます。そこで、コスト増大を防ぐためには、各地域にリサイクル施設を設立する必要があるのです。こうして各地域での障碍者雇用が進み、相互発展のかたちが生まれます。
  • エフピコのリサイクル工程

  • 「バーチャル360°工場見学」:スマホなどからもVR(バーチャルリアリティ)コンテンツで工場見学が可能

【特徴 匠】

加工技術の進化向上
エフピコの加工技術は年々進化を遂げています。コスト削減に直結する薄くて軽い容器の製造は、環境を大切にする消費者にも望まれていること。環境負荷を考えると、プラスチックの容器は軽ければ軽い方がよいはずです。食品トレーマーケットは、今後大きく拡大していくようなものではありませんが、エフピコには他社にない競争力が備わっています。

現場主義の開発力
エフピコのトレーの種類がどれくらいあるかご存知でしょうか。製品カタログに掲載されているものでその数は12,000を超えます。日常生活で注目しないかもしれませんが、トレーには様々な工夫が張り巡らされています。例えば、指先を傷つけないために、容器の外周には凹凸加工が施されていたり、スーパーマーケットの店員さんが食品を早く・無駄なく盛り付けやすいような加工が施されていたり、「しっかり閉まる」「簡単に開けられる」という一見相反するような機能が両立していたりと、様々な改善が積み重ねられています。
昨今、自転車で食品デリバリーの仕事をしている方をよく見かけます。いわゆる”中食”の需要増加に伴い、エフピコはデリバリー容器の開発にも力を入れています。容器本体の内側にパチッとはまるタイプの蓋を用いて液漏れを防止する、具材が混ざらないよう3層構造にするといった製品も発売しています。
製品開発の根底にあるのは販売哲学「答えはお客様のところにある」。現場主義を徹底しています。食品販売の現場をつぶさに観察し、利便性・機能性の高いアイデアを次々と製品化しています。なんと月に100回も食品売り場に行くことは同社の営業員では普通のことだそうです。一つの容器が完成するまでに、設計図が完成してから2か月から半年もの時間がかかります。普段何気なく目にしている容器一つひとつに、これだけの手間ひまがかけられています。同社のトレーへのこだわりが垣間見えます。

【鎌倉投信の視点】

「結い 2101」では、「人」のテーマで2010年からエフピコへ投資し続けています。同社は、障碍者雇用そのものを戦略として位置付けています。その障碍者雇用をけん引しているのは、特例子会社エフピコダックスの且田社長です。以前は養護学校の教諭をされていて、小松元会長との出会いをきっかけに事業をスタートした方。障碍者を見る目は、まさしく先生の眼差し。障碍者の何が甘えで、何が障碍なのかを的確に捉えています。「仕事の能力と私生活の能力は別。私生活がろくにできなくても、仕事はできる」本物の言葉です。
  • エフピコの小松会長と特例子会社の且田社長

もう一つ着目した点が、テーマ「共生」にかかわるリサイクル活動。食品トレーに対して、エネルギーの無駄遣いという批判があるかもしれません。しかし、食の生産から消費に至るまであらゆる過程でトレーを使用している今、リサイクルをおこなっているエフピコのマーケットシェアの拡大が、結果として、資源を節約する手段なっているといっても過言ではないはずです。
エフピコがリサイクルを始めた1990年には、食品トレーの回収拠点は6つだけでしたが、今では約9,390店舗にふえています。今後も小売店舗や消費者を巻き込みながら、リサイクルの「わ」を広げていくことが期待されます。
  • 代表取締役 社長 佐藤 守正 氏

株式会社エフピコ
創業1962年、食品トレー・弁当容器製造販売最大手。本社は広島県と東京都。東証一部上場。社員数は連結で4,484人。
http://www.fpco.jp/
  • エフピコの本社入り口



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