投資先の「いい会社」

株式会社 トレジャー・ファクトリー

(東京都)設立年:1995年

「もったいない」から始まった、社員の個性を大切にする、いい会社

「もったいない」から始まったトレジャー・ファクトリー。

社員の個性を活かして、それをお店の個性にしてしまう会社。社員が活き活き働く理由は、経営者の想いと理念にあります。

【特徴一 人】

●経営者の気づき
 トレジャー・ファクトリーは、一言でいってしまえばリユースショップ。大規模ショッピングセンターで働いていた野坂社長が、お客様が持ってくる、前に使っていた家具や家電が捨てられていくのを見て、「まだ使えるのにもったいないな~」という気づきから生まれました。創業当時のリユースショップといえば、値札もなく、店主の言い値。また埃を被って、いかにも中古専門店。捨てられてしまうものに新たな命を吹き込む工場を創ろうと考えた瞬間でした。従って同社の1号店で徹底したのは「きれいに並べる」「値札を分かりやすく付ける」「丁寧な接客をする」という3つの「当たり前」でした。
  • 創業時の1号店と野坂社長

●経営理念
 その後、4号店がオープンした頃に創った経営理念が
「トレジャーファクトリーは人々に喜び・発見・感動を提供します」
です。社会の公器となる会社を作っていきたい想いと創業時から大切にしている「お客様との場面」のイメージを言葉に落とし込んだそうです。一点ものとの出会いや大切にしていたものをまた誰かに使ってもらえる「喜び」、こんないいものがあったんだ!という「発見」、細部までこだわる徹底したサービスがもたらす「感動」、これらの価値をお客様に提供したいという想いが込められています。

●モチベーション
 トレジャー・ファクトリーの店舗はそれぞれ個性的。店の運営はほとんど店長に権限委譲しているので、店長の個性がでてきます。音楽が得意なお店もあれば、アウトドアが得意なお店も。店長が自主的に決定しているため、お店に対するオーナーシップや社員のモチベーションが他のリユースショップと違います。しかも多くは若手社員。若手を信頼し、任せることが成長につながると野坂社長は考えています。各店舗の社員とコミュニケーションを欠かさず信頼を構築する姿勢が、社員が同社を愛する理由かも知れません。

【特徴二 匠】

●鮮魚のような商品管理
 独自開発のPOSシステム、これがトレジャー・ファクトリーの強みの源泉です。商品を単品管理することにより、買い取りを依頼するお客様から適切な価格で買い取ることが可能となります。加えて、入荷から販売までの期間をシステムで管理し在庫リスクを把握できることから、購入するお客様のニーズに合致するような価格で提供できます。まるで鮮魚の新鮮さを管理するかのように一点一点の商品を管理しています。
 同社のシステムは自社仕様にカスタマイズした特別なもので、他社とは違った多角的な分析ができるとのこと。店舗の声やデータ分析から小さな違いに気付き、改善を積み重ねていくことを大切にしています。


鎌倉投信の視点
 リユース業という業態からは「共生」テーマを連想しますが、鎌倉投信が着目したのはテーマ「人」。数あるリユースショップを運営する会社の中で、トレジャー・ファクトリーを選んだ理由は、経営者の資質、社員のモチベーション、そして技術がそろっている点です。野坂社長は「ちょっとした違いの積み重ね」を大切にしていますが、その考え方が社員に波及することで、店舗や商品管理システムの質に好影響を及ぼし、同社の特徴になっているといえます。
 2020年度には経営理念の下にビジョンが策定されました。その中には
創意工夫と挑戦を通じて、300 年、成長し続ける組織を目指します
とあります。永続する企業になることへのこだわりを表現したそうです。実際に同社はリユース事業を堅実に成長させる一方で、引越事業や不動産事業など、新たなサービスを着実に生み出しています。300年社会に貢献し続けることが期待できる「いい会社」だと思います。
  • 野坂 英吾 社長
    店長に若手を起用し、モチベーションを高める経営者

株式会社トレジャー・ファクトリー
創業1995年、家電、家具、服飾、雑貨等の総合リユースショップを中心に展開。関東1都4県が中心だったが、国内のみならず海外への出店も進めている。東証一部(2014年12月東証マザーズより上場替)上場、本社は東京都千代田区。

2019年4月20日、「いい会社の経営者講演」を実施しました。報告レポートではトレジャー・ファクトリーの創業ストーリーや野坂社長の仕事観などをお伝えしています。

※ 掲載内容は執筆時点のもので、正確性を担保するものではありません。