投資先の「いい会社」

株式会社 ユーシン精機

(京都府)設立年:1971年

赤字を出さない匠な会社

創業理念
ユーシン精機は、製造業が携帯や車のバンパーなどのプラスチック成形品を金型から取り出す際に、人手を使わず取り出すためのロボット専業メーカーです。「人を非人間的な作業から解放したい。そして人にしかできない創造的な仕事に就かせたい」そんな想いからできた同社の経営力は大変強いものがあります。
  • 京都にあるユーシン精機本社

赤字を出さない
創業以来のこだわりは、赤字を出さない経営です。株主に対してしっかり応えること、それは株主資本を減らさない経営です。また、無借金経営により強固な財務基盤を堅持しています。「経営が苦しい時に、金利は払えない。払うぐらいなら人財に投資をしたい」、そんな想いを感じる経営姿勢です。
人へのこだわり
赤字を出さない経営をする上で最も大変なのは、リストラをおこなわず、実践すること。人財へのこだわりにもものすごいものがあります。同社経営者とのミーティングが終わり、工場見学の最中、小谷眞由美社長(当時)が走ってきて、「一番大切なことを言い忘れました。この会社の社員はみんな真面目なんです!」と。社長、会社の中で、あなたが一番真面目なんですね(笑)。
  • 品質の高いユーシン精機のロボット

国内外で一位
ユーシン精機では、海外での売上高が全体の6割を超えています。それを支えているのは、品質。「価格が多少高くても買ってもらえる品質」にこだわっています。ロボットを採用している会社(同社の顧客)は、そのコストを回収するために、24時間操業させているケースが多いです。そのため、ロボットの修理等が少しの時間でも発生してしまうと、生産がストップしてしまいます。ユーシン精機のロボットは、ちょっと高価かもしれませんが、長い年月にわたり使い続けられる生産設備です。また、万が一ストップしてしまった場合に備え、アフターメンテナンスや定期点検を重要な業務と位置づけ、お客様の業務をサポートするためにどんなことにも迅速かつ的確に対応する体制を敷いています。価格競争には巻き込まれにくい戦略です。
  • 工場にある「品質は社運を決める」という言葉

【鎌倉投信の視点】
鎌倉投信が着目したのは、テーマ「匠」。
品質への「こだわり」を持った会社はたくさんありますが、その「こだわり」が価格競争力になっていなければ意味をなしません。その源泉はやはり人財への投資と「こだわり」です。
現社長の小谷高代氏は前社長の次女で、工学博士です。先代の「こだわり」を引き継ぎながら、さらなる商品力の強化、グローバル化、人財育成、新規事業の開拓に取り組んでいます。
株式会社ユーシン精機
1971年創業、プラスチック成形品取り出しロボットの専業メーカー。国内外で首位。本社は京都府。東証プライム上場。

https://www.ype.co.jp/
  • 小谷高代社長