投資先の「いい会社」

KOA 株式会社

(長野県)設立年:1940年

地球のことを真剣に考える、いい会社

樹木に囲まれた本社が特徴的なKOAは、なんとステイクホルダーに地球を入れています。
村ごとにある生産拠点も残しながら、長野の伊那谷で地域と共に歩み、小さな抵抗器で世界トップクラスの生産効率を誇ります。世の中が大量生産・大量消費ではなくなることを考えながら経営している製造業です。既に次の社会への準備を開始しています。

地域雇用

KOA株式会社は、抵抗器という、電流を制限するなどにより、電子回路を適正に動作させる役割をもつ小さな電子部品を製造しています。
  • KOAの製品である抵抗器

KOAは信州伊那谷のお百姓がお百姓として自らのふるさとで生きていけるようにとの願いで創立されました。そのため、今でも長野県の南部に生産拠点が点在しています。また、地域雇用を守っている会社らしく、国内生産比率も高いです。

地球

ステイクホルダー(企業の利害関係者)として、地域や環境を謳う会社は多いですが、KOAではなんと地球を登場させているのがとてもユニークです。
  • KOAが説明会などで利用しているステイクホルダーの絵

想像しにくいかもしれませんが、抵抗器という部品は「地球」にまつわる問題と関連があります。2015年9月に国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)には「気候変動に具体的な対策を」という目標がありますが、その鍵となるのが運輸部門です。運輸部門は世界のCO2排出量の1/4を占めるからです。
目標達成のためには新車の平均燃費を2030年までに半減させる必要があるといわれています。従って今後、世界各国で環境対応車の販売台数が増加すると予想されます。こういった世界的な流れの中で、KOAの戦略製品である厚膜チップ抵抗器は従来のエンジン車に比べ、ハイブリッド車で1.6倍、電気自動車では1.4倍の需要が見込めるとのことです(KOA調べ)。
今後ますます需要が高まっていく製品を世に送り出すKOAの事業は、これからの社会の持続性に貢献していると鎌倉投信は考えています。

第二のバランスシート

KOAでは、その想いを表現するため、バランスシートなどの財務諸表には載らない人的資本や地域社会の資本・資産などを第二のバランスシートとして意識し、経営を実践しています。
「KOAが社会からお預かりしているもの、KOAが社会に向けて還元できるもの」をしっかり定義し、森林塾などを積極的に運営している点は、まさに鎌倉投信が投資の果実のひとつとして掲げる「社会形成」に合致した行動です。

生産効率

製造業での競争相手は世界中にいますが、ステイクホルダーに価値を提供し続けるためには何らかの優位性を持ち、利益を出し続けることが必要です。
KOAは「必要なものを、必要なときに、必要なだけ」という標語を掲げ、生産革新活動や自社開発による製造設備の小型化を長年継続し、小口化・短納期化・多様化したニーズにこたえる体制を整えています。それによって、大量生産によるコスト競争力を武器とした海外企業に対して競争優位性を保っています。
地域と共生しながら、全社をあげた改善活動によって生産効率を上げ、主力の固定抵抗器では世界トップクラスを保っています。


【鎌倉投信の視点】

鎌倉投信が着目したのは、テーマ「共生」。地域のために工場を統廃合しないで済む方法を模索しながら、生産効率を上げています。また、大量生産・大量消費を狙わず、少量多品種を扱う経営をしているのも特徴的です。製造業が世界で戦うために必要なのは、価格競争に巻き込まれないような巧みな技術力や高い精度。抵抗器は電気が使われる限り必要とされる部品。KOAも地球・地域と共生しながら、必要とされ続ける存在です。鎌倉投信としては、こんな素敵な製造業を応援していきたいと考えています。

ちなみに本社屋は、樹木に囲まれ、外から見ると森の中に会社があるかのようです。とても工場がある場所とは思えません。また、社員食堂から出る生ごみを処理する施設も完備しており、共生を心の底から感じさせてくれる場所でもあります。
  • 樹木に囲まれたKOA本社敷地内の工場

KOA株式会社

創業1940年、各種電子部品の開発・製造・販売を行い、主力の固定抵抗器は世界トップクラス。本社は長野県。東証一部上場。


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