投資先の「いい会社」

株式会社 ナカニシ

(栃木県)設立年:1930年

技術を大切にする、いい会社

ナカニシは海外売上高の割合が約8割という、グローバルでニッチな製造業です。

ナカニシの主力製品は歯科治療に使われるハンドピースです。ただ、皮肉なことに知名度が低かったため国内ではなかなか売れず、海外での人気で国内の認知度が高まるようになった栃木の会社です。地域に根差し、グローバルに事業を展開する会社の強みは、高い内製化率と人財教育にありました。

  • 技術力の高いナカニシの製品

高い海外売上高比率
ニッチでグローバルな会社の特徴として、高い海外売上高比率がよく取り上げられますが、ナカニシはなんと海外の売上が約8割を占めています。これは、何とも皮肉なことに、国内で受け入れられなかったことが理由。しかし、海外での評価が高まるにつれ、国内の評価も高まっていきます。技術力の高い製造業のいい会社によくある成長パターンだといえます。

製販一貫体制
製造業の付加価値を維持するために不可欠といえる製販一貫体制。販売会社を通してしまうと、中間マージンを取られてしまうため、価格競争力が低下したり、ユーザーとの直接的な対話がなくなったりすることで、製品改善のスピードが低下してしまいます。ナカニシでは、ヨーロッパを中心に、販売網を構築し、世界130カ国以上に製品を輸出しています。

高い内製化率
ナカニシでは、製品を構成する約23,000点もの精密部品の85%以上を自社工場において棒材から一貫生産しています。
製造を外部委託しない分、より高品質の製品を低コストで製造することを可能にしているのはもちろんのこと、技術・ノウハウ・情報を1ヶ所に集約することで、スピーディーな製品開発体制を構築しています。「世の中にないものは、自分たちの手でつくればいい」という発想が同社のものづくりの原点です。

超高速回転技術
ナカニシを支えているのは、超高速回転技術です。回転数は、毎分4万回転から45万回転まで、ニーズに応じて対応。
回転させるためのベアリングも、ベアリングメーカーに製造を単純に依頼するのではなく、独自の仕様で製造されたものを組み込んでいます。
このように、内製化していない部品でも独自性をしっかり確保しているので、他社との間に品質の差が出てきます。
  • ナカニシの製品を構成する精密部品

成長を担う研究開発・生産拠点
ナカニシは、2017年4月に本社および研究開発棟のRD1を、2018年3月に製品を構成する部品を内製する金属加工工場であるA1工場をそれぞれ竣工しました。
RD1では、これまで分散していた研究開発機能を集約するとともに、従業員のコミュニケーションスペースも多く設けられ、お客様に感動を与える製品をスピーディーに開発することが可能となりました。
栃木県鹿沼市の小高い丘の上に新設されたA1工場は、ムダやロスのない最適化された生産ラインが構築され、生産性と品質のさらなる向上が期待されます。また、A1工場には精密ろ過装置が設置され、精密部品の製造工程で使用される切削油の97%をリサイクルするなど、環境負荷の軽減に配慮した取り組みも行っています。
  • A1工場の製造設備

リストラをしない
ナカニシの製品は多品種少量生産です。そのため、国内生産が中心となっています。ほとんどの雇用者は、地元の方々。「一度リストラしたらきてもらえなくなってしまう。いい意味でも悪い意味でも田舎なので、あっという間に口コミで広がってしまいます」と語られた中西社長の言葉が印象的でした。
また同社では、成長基盤強化に向けて、次世代リーダーの育成を目的に社長を学長とする社内大学を開校するなど、人財投資にも余念がありません。
【鎌倉投信の視点】
鎌倉投信が着目したのは、テーマ「匠」。
ナカニシは、製造業にとって不可欠な要素である、製販一貫、高い内製化率などの高付加価値商品を提供できる環境づくりをしっかり実践しています。
また、研究開発や社内大学での人財育成などへの投資にも余念がありません。財務的にも、高い自己資本比率や自己資本利益率を維持し、安定的かつ高成長性が確保できている状況です。
ナカニシの上位株主には海外の投資家が多く、海外で注目を集めていることも同社の特徴です。鎌倉投信としても、長期的な観点で成長を応援したいと考えています。

株式会社ナカニシ
創業1930年。超高速回転技術に特化した専門メーカー。本社は栃木県。世界130カ国以上に製品を輸出。歯科治療用ハンドピースで世界トップ、海外の売上高が約8割を占める。JASDAQ上場。

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