DON’T THINK. FEEL.

月次運用報告書「結い だより」に掲載している記事の一部をブログ形式で掲載しています。
(「結い だより」2020年6月号>運用コラム)
私の職業はファンドマネージャー、趣味は企業分析。当社入社と同時に在宅勤務開始から2ヶ月が経とうとしていますが、なんとか業務をこなしています。
この度はじめて、4月後半からの上場企業の決算発表シーズンを在宅勤務で迎えました。
業務として、また(興味の趣くままの)趣味として、財務諸表の分析やオンライン決算説明会の視聴、電話での取材などをおこなってきました。
最初は戸惑いもありましたが、通勤時間や取材先への移動時間がなくなったことによる時間効率のよさから調査対象が徐々に増えてきました。

しかし、効率のよい在宅勤務での企業調査ですが、ひとつだけ困ったことがありました。オンラインによる決算説明会に参加する際、説明内容などのメモはすらすら書けるのですが、説明会の印象や感想、意見などの「所感」が書けなくなってしまったのです。散々迷った挙句、「楽しかった」と書いては、「夏休み終了前にまとめて書いた絵日記か!」と自らツッこむ始末。

つまり、「感じなくなってしまった」ということです。
コロナ前、実際に現場に足を運んだ説明会や取材では、無意識に五感を駆使して「感じて」いたことに対し、オンライン説明会では視覚と聴覚の二感に頼ったものとなり、結果として受け取る熱量みたいなものに差が生じ「感じなくなってしまった」と思われます。

さて、標題の「Don’t think. Feel.」ですが、これはブルース・リー主演映画『燃えよドラゴン』の名台詞で、直訳すれば「考えるな、感じろ」となります。
私は洗面所の鏡に向かって「Don’t think. Feel.」と自分を叱責しましたが、「感じなくなってしまった」現状は変わりません。
だって、基本、無表情で説明する人の映像しか映らないんだもん。

そこで、私は『燃えよドラゴン』を観返してみました。すると「考えるな、感じろ」の後に「月を指差すのと似たようなものだ、指先に集中していては、その先の栄光が得られない」と続きました。私は死角からパンチされたような衝撃を受けました。
私の解釈はこうです。
「月」は「いい会社」、「指先に集中する」ことは「考え抜く」こと、「指差す」ことは「直感にゆだねる」こと。

つまり、いい会社と思われる企業を調べ、考え抜いて、現場では「Don’t think. Feel.」。
私は在宅勤務での企業調査の目的を「考え抜くこと」に変えました。
すると不安がなくなり、気持ちが楽になりました。
たまに取材をしている夢をみます。取材に恋する乙女のようです。

皆様のご努力により、非常事態宣言が解除され経済活動がそろりそろりと再開してきました。
6月には実会場での決算説明会も開催されるとの朗報も入ってきました。封印された直感を開放する日が間近に迫っています。
そして「いい会社かな?」と考えられる企業が「本当にいい会社だ!」と感じられる日がそこまで来ていることに興奮しています。
感極まって「大好きです!」と言ってしまわないか心配です。
(資産運用部 五十嵐和人)