「お客様は神様」の真意

毎週発行しているメールマガジンの内容をブログ形式で発信しています。
お楽しみください。
皆様、こんにちは。鎌倉投信の鎌田恭幸です。
いつも鎌倉投信のメルマガを読んでいただきありがとうございます。

会社には、社員、顧客、取引先、株主、地域、自然環境、社会等、多様な関係者がいます。その中で、経営者が最も大切にしなくてはならないのが、顧客でも株主でもなく、社員である、とする意見がふえています。社員を大切にし、内発的動機を高めることが、最終的に顧客の創造や商品・サービスの差別化につながる、とする考え方です。その中には、お客様は神様ではない、全て顧客のいいなりになる必要はない、むしろ顧客を選別すべき、との含みも感じます。そもそも「お客様は神様」とはどのような意味なのでしょうか。

この言葉は、演歌歌手の三波春夫さんが、歌う時に、「神前で祈るときのように、雑念を払い、真っ新(さら)な心にならなければ完璧な藝を披露することはできない」とする心構えを語ったことが元とされています。それが今日では、あたかも「お客様=神」のように用いられるようになったようです。元来は崇高な心構えの大切さを意図したものだったのですね。

また、お客様を広く「世間」と捉えた時、違う深みを感じます。会社が、新たな事業や商品、サービスを提供する時、世間評価と自己評価に差が生じることがあるでしょう。その時は、世間評価を受け入れ、謙虚に世間の声に耳を傾ける、が基本だと思っています。世間評価には、相応の理由があるのです。逆にいえば、世のため人のために役立つことをしていれば、いずれ世間は認めてくれる、ということでしょう。顧客の総和である世間は、裁断者であり、商品・サービスの価値を測る鏡であり、その意味で絶対的存在=神と、いえなくもないのでは、と思います。

「お客様は、神様」のもう一つの意味は、自己の過信や傲慢さを諫め、世間の声に謙虚に耳を傾ける姿勢を謳ったものと、私は解釈しています。


鎌倉投信がお届けする「心を結ぶ」メールマガジン。是非ご登録ください。
登録フォームはこちら