「責任ある機関投資家」の諸原則 改定

皆様、こんにちは。鎌倉投信の鎌田恭幸です。
いつも鎌倉投信のメルマガを読んでいただきありがとうございます。

今年3月にスチュワードシップ・コードに関する有識者検討会で “「責任ある機関投資家」の諸原則” が改定されたことを受け、当コードに関わる鎌倉投信の宣誓文を一部改定(主として、議決権行使に関わる部分)しました。
https://www.kamakuraim.jp/stewardship-code/

本原則は、もともと2013年のアベノミクス「3本の矢」の一部、「日本再興戦略」の中で、機関投資家と企業との建設的な対話(エンゲージメント)を通じ、企業の中長期的な成長を促すことを目的して2014年に策定されたものです。
2回目となる今回の改定ポイントの一つは、建設的な対話の中に「ESG要素等を含む持続性の考慮」を明示し、「企業価値の向上、顧客・受益者の中長期的なリターンの拡大」とを関連づけたことでしょう。

この点について、鎌倉投信は、「結い 2101」を設定して以来のビジョン

「社会との調和の上に発展する投資先企業との対話を大切にし、投資家(顧客・受益者)と運用者、運用者と投資先企業はもとより、投資家と投資先企業が、価値観と信頼で結ばれる相互関係を築くことによって、信託財産の長期的な成長を図り、投資家の資産形成と社会の持続的発展の両立を目指します」

の上に当初から取り組み方針を定めましたので、持続性という観点から修正を加える必要はありませんでした。

一方で、このことを10年以上実践してきた中で、投資先企業と対話を通じて深い信頼関係を築くこと、企業の持続的成長に貢献することの難しさも実感しています。
表面的な取組み姿勢では、深い信頼関係を投資先企業と築くことも、対話を通じて企業の成長に貢献することもできないからです。

そう考える時、ここでは直接謳われていないもう一つの大切な「対話」があることをいつも感じています。
対話の相手とは、投資先企業でも、顧客・受益者でもありません。
自らは「何のために存在するか」を命題にした機関投資家自身の社内対話(自身への問いかけ)です。
自社の存在目的を謳った経営理念やビジョン、投資哲学や投資方針を、全役職員が共有して信念に落とし込んでいる資産運用会社だけが、本当の意味で、自らの原則を掲げ、実践し続けることができると考えるからです。
そして、同時に、こうした社内の対話と向き合っている人のみが、そのハードルの高さと当コードを準拠表明することの責任の重さを知ることでしょう。

資本市場の担い手としての機関投資家(広義には金融に関わる全ての人)が果たすべき「本来の使命」は、対話を通じて「企業の長期的な成長」と「投資家のリターン向上」を図るという狭義の目的に留まりません。
経済活動や社会活動を通じて蓄えられた富の再分配を通じて、新たな価値を産み出し、持続的で豊かな未来を創造することにあります。

鎌倉投信は、当コードで謳う「対話」に限定されることなく、そのことを問い続け、できることを実践していきたいと思います。

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