平日の信

皆様、こんにちは。鎌倉投信の鎌田恭幸です。
いつも鎌倉投信のメルマガを読んでいただきありがとうございます。
先日、某社に、ある案件の協力をお願いした時のことです。私が一通り説明し、質疑応答をした後、某社は快く応じてくれました。察するに、実のところ、社長は既に腹を決めていたのではないかと思いました。その時に感じたことがあります。

「日頃からの信用、信頼の積み上げが大事。ビジネスの成否は、商談の前に粗方決まっている」ということです。

「信を人に取ること難し。人は口を信ぜずして躬(み)を信じ、躬を信ぜずして心を信ず。是を以て難し」

幕末・明治維新で活躍した西郷隆盛、吉田松陰、勝海舟等に多大な影響を与えた佐藤一斎の言葉です。

「人は、言葉よりも、その人の行いを信用する。さらに、行いの奥を見透かし、その人の心を信用する。心は見せることができないので、人から信用を得ることは実に難しいことだ」という意味合いです。

一斎は更に続けます。「臨時の信は、功を平日に累(かさ)ね、平日の信は、效(こう)を臨時に収む」と。突然の出来事を上手く処理して信用を得れば、それが日頃の信用につながることが大事であり、日頃の信用があれば、大事において成果となって顕われる。「信用を得るためには、常日頃の何気ない姿勢、まごころを込めた行動が大事であること」を説くものでしょう。

話は変わり、8年前、鎌倉市の建長寺で開催した受益者総会でのことです。講演者の一人 ユーシン精機(本社:京都府 東証一部上場 プラスチック射出成型品の取出ロボットの製造・販売)の社長 小谷眞由美さんと受益者との問答は、今でも鮮明に記憶しています。
「昨今、名門企業の不祥事が頻発し、企業の信用、信頼が揺らいでいる。ユーシン精機にとっての信用とは何か」。この問いに、小谷社長は、少しの間をおいてこのように答えました。

「信用とは約束を守ることと違いますか」と。

本質を突いた一言に唸りました。意味することの深さを感じたからです。ユーシン精機には、創業以来積み重ねてきた研究開発の思想があります。「お客様から課題を与えられたときに、少なくとも7つ以上の解決策をみつけよ」です。最大限の努力を重ねて、「顧客の期待値を超えることを当たり前とする」、がこの言葉が意味するところだと感じました。そして、ユーシン精機の信用の根源は、この意識の中にあると思ったのです。

心を信用してもらうためには、信用を得るに相応しい人になることです。「信用を得るに相応しい人」とは、平日、嘘偽りのない想いと行動を累ねることができる人でしょう。そのことを肝に銘じたいと思います。


鎌倉投信がお届けする「心を結ぶ」メールマガジン。是非ご登録ください。
登録フォームはこちら
「いい会社」企業情報