運用コラム「現金比率について」

10/10に開催した受益者総会では、現金比率について受益者の皆様から質問をいただきました。今回は現金比率の現状とその考え方をお伝えします。


Q.足元で現金比率が高い理由を教えてください。


回答:COVID-19でリスク(価格のブレの大きさ)が高まったためです。


まず、「結い 2101」の運用目標ですが、資産形成面での目標は以下の2つです(※1)。
年率リターン4%以上
年率リスク(価格のブレ)10%以下

リターンをコントロールするのは困難ですが、リスクについては抑制する手段があります。それは株式と現金(※2)のバランスを調整することにより、価格のブレが大きい局面では株式の比率を下げ、現金の比率を上げることです(過去の推移は下図)。
足元で株式比率を約52%まで下げた理由は、COVID-19の影響で株式市場が急落し、価格のブレが大きくなったためです。「結い」のリスク(価格のブレの大きさ)を目標である10%以下に抑えるため、現在も現金を多めに持つ状況が続いています。

このような投資行動によってリスクを抑えると当然リターンも低下するので、基本的に運用の効率性(シャープ・レシオ)が改善されることはありません。一方で、元本割れ(評価額が購入額を下回ること)する可能性は小さくなる傾向があります。特に長く保有する程、その傾向が強くなります(※3)。
「結い 2101」では今後もゆっくりと着実に皆様の資産をふやすことを目指し、運用を続けます。

(※1)あくまでも目標であり、将来の運用成果を保証するものではありません。また、リターンは信託報酬控除後の値です。信託報酬とは、投資信託を管理・運用するための経費で、受益者の皆様が投資信託を保有中に支払い続ける費用のことです。
(※2)正確には現金ではなく、有担保コール翌日物または無利息金銭信託で運用しています。
(※3)当社ウェブサイト(https://www.kamakuraim.jp/_files/5-182/kpi.pdf)の5ページでお客様の保有期間別の損益状況が確認できます。
また、金融事業者間の比較については金融庁ウェブサイト(https://www.fsa.go.jp/news/r2/kokyakuhoni/202009/2009_kpi_kohyo.pdf)の16~20ページでご覧ください。


Q.現金を多めに持っているのは非効率では?


回答:非効率な面もあるかもしれませんが、多様なお客様にメリットがある商品だと考えています。

もっと株式比率を上げて「いい会社」を応援したい、ひいてはリターンも上げてほしい、といった声をよくいただきます。現金が多いことを踏まえると信託報酬が高いのでは?という問題意識も裏側にあると推察します。お客様によっては非効率に感じられることがあるしれませんが、ここでは、お客様の属性に応じた「結い 2101」のメリットをお伝えします。


●資産運用に割ける時間があまり多くない等の理由で金融資産の資産配分を自身でおこなわない投資家にとって 
リスク(価格のブレの大きさ)を調整する手間が省けます。リスクは長期の資産形成の敵なので、適切と感じる水準に落ち着かせることが好ましいです。個人でリスクを調整しようとすると、株式の売却をした際に税金がかかることがありますし(複利効果を踏まえると税金の先払いは非合理的です)、なにより手間がかかります。資産運用が趣味ならばともかく、皆様の貴重なお時間を他のことに割いてほしいと思います。


●金融資産の資産配分を自身でおこなう投資家にとって
資産運用に十分な時間を割ける投資家は、自分でリスク管理をされるので、現金比率が高いことに抵抗感があると思います。ただ、「結い」には日本株のアクティブ運用の中では、株式指数(TOPIX)との相関が比較的低いという特徴があるので、例えばインデックス運用を「メインディッシュ(コア)」として、「結い」を「おかず(サテライト)」として利用されることも想定しています。


金融資産の資産配分を自身でおこなう投資家に限らず様々な方に共通してお伝えしていますが、「結い」だけを保有することは基本的に推奨していません。例えば、米国株は指数連動型の商品を中心にして、日本株は「結い」などのアクティブ型で運用する、といったように資産種別と運用手法を分散して保有してもらうことが望ましいと考えます。
このように多様なお客様に配慮した商品設計をしていますが、今後もお客様の声に耳を傾けながら商品の改善をしていきます。
(資産運用部 橋本)

月次運用報告書「結いだより」128号掲載