「結い 2101」運用報告 社会形成「環境分野での世界貢献」

10月13日、国際エネルギー機関(IEA)が2020年の世界エネルギー展望を公表しました(※1)。この報告では、COVID-19がエネルギー産業へ及ぼした混乱は過去に類を見ないほど甚大で、今年の世界のエネルギー需要が約5%落ち込み、エネルギー関連のCO2排出量が7%減少するとされています。その一方で、IEA事務局長は、中国の排出量が「既にコロナ危機前の水準に戻った」と指摘し、中国に対してCO2排出削減の具体策を求めています。

「結い 2101」の投資先で、中国のエネルギー事情と関連深いのは、今春から投資している「三浦工業」さんです。同社は熱供給機器の一種である貫流ボイラで国内シェア1位の会社です。ボイラには馴染みがないかもしれませんが、身近な例だとガスコンロも熱供給機器です。ボイラは工場などの産業向けに熱効率を高めた機器だとイメージしてください。「結い 2101」ではその環境性能に着目し「共生」視点で投資をしています。

中国は世界で圧倒的に多く石炭を消費している国ですが、大気汚染が深刻化したことを受け、2013年以降、環境規制を強化し、石炭からクリーンエネルギーへのシフトを進めています。2017年には都市部の規制を更に強化したこともあり、先のIEAの見通しでも2025年をピークに石炭消費量が減少していくことを示唆しています。

そのような背景から、三浦工業さんは石炭を燃料とするボイラからガスを燃料とするボイラへの入替ニーズに対応してきました。足元では、中国が環境対策より景気対策に力を入れているため、同社は、景気悪化の影響を受けにくい業種(食品、製薬)を中心に、他社のガス焚きボイラを、より効率のよい同社のボイラに入れ替えてもらうための施策を実施しています。

また、今年の10月にはロシアの一部地域を対象に、貫流ボイラの省エネ効果や経済性を検証するための基礎調査を始めることを発表しました(※2)。ロシアでは暖房システムにおけるボイラ施設の稼働率が低いため、三浦工業さんが提供する高効率なボイラ設備を導入することでエネルギーの節約に繋がることが期待されます。鎌倉投信は、同社が日本で得た知見が世界の各地域で活用され、エネルギー効率向上や環境問題の解決に結びつくことを願っています。
(資産運用部 橋本)

月次運用報告書「結いだより」128号掲載
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