運用コラム「私流の会社四季報の読み方Part.2」

今号では、会社四季報の「横読み(その2)」、「縦読み」、「斜め読み」を紹介します。

まずは「横読み(その2)」。会社四季報の企業情報は大きく13の項目から構成されています。具体的には、社名や特色、取材記事、株主構成、財務情報、業績推移などの主要項目に加え、業績予想修正を矢印で表したものや、絵文字による四季報予想マークなどがあります。

横読み(その2)では、特定の項目に絞って通して読むことで、横読み(その1)では得られない気づきを得ることを目的としています。例えば、全上場企業の株主構成の項目だけを見ていくと、外国人投資家や投資信託の保有比率の増減、主要株主の保有比率の変化などを通じて、業種間や業種内での株式市場の評価が垣間見れます。

また、絵文字による四季報予想では、泣き顔マークだけを見ていくことによって、業績不振の共通因子や、内部的な事情などを推察できます。これらを繰り返すことによって、企業経営のダイナミズムをマクロ・ミクロの両面で感じとれるような気がします。

次に「縦読み」です。横読み(その1)と(その2)によって、私の四季報には相当数の付箋が張り付けられた状態になっています。そのなかから、ターニングポイントを迎えていると考えられる企業をピックアップします。そして過去20年分(80冊)の四季報を遡り、ターニングポイントに至るまでの事業環境の変化や企業のアクション、株主構成や役員の変遷などを確認します。
企業にはそれぞれ、なにがしかの経営理念があります。1年程度の短期間ですと、経営状態に目立った違いはでませんが、10年単位でみると、経営理念の違いが経営状態の差異となって現れます。気になった企業の沿革を有価証券報告書等で確認すると、驚くことに、過去に同じような意思決定が繰り返されていたことがわかります。勘のよい読者はお気付きかもしれませんが、四季報の縦読みは、個別企業の「既に起こった未来」を見つけることにあります。

最後に「斜め読み」。これは隙間時間に漫然と四季報を眺めるという行動です。四季報は見開きで4社の情報が掲載されています。適当に開いたページの4社から、気の向くまま、連想ゲーム的に次から次へと関連する企業情報の波に乗ります。ネットサーフィンならぬ四季報サーフィンです。面白いもので、その時々の自分の感情や関心事により、それまで見えなかったことが見えてきたり、散在している点の情報が突然繋がって線になり、面になったりすることがあります。

例えば、飲み会で帰宅が遅くなる日が続き、妻の機嫌が悪い時には、なんとなく、妻のお気に入りの化粧品メーカーのページを開いてしまう。すると、その化粧品メーカーが原料やボトルなどで環境負荷低減の取り組みをおこなっているという情報を知る。そして、原料やボトルの供給先のページに飛び、関連情報を調べる。これらによってサプライチェーン全体の環境対策を知るという結果に至ります。私は興奮して妻にそれらの取り組みを伝えるのですが、妻からは「はぁ? そんなことより、毎日飲み歩くな!」と返されます。これが我家の日常、四季報を中心に回っています。

(資産運用部 五十嵐)

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月次運用報告書「結いだより」129号掲載