目に見えないものへの感謝と畏敬

皆様、こんにちは。鎌倉投信の鎌田恭幸です。
いつも鎌倉投信のメルマガを読んでいただきありがとうございます。

先日、長く実家に祀られていた仏壇を82歳になる母が修繕し、入魂の法要「開眼供養」をおこないました。修繕にはかなりの費用と手間がかかり、一般的には新調したほうが廉価で効率的です。

そのことを母に問うと、「150年もの間、親族がこの仏壇の前で手を合わせ、先祖に感謝し、子々孫々の繁栄を願ってきた。職人さんの命も息づいている。だからこの仏壇を大事にしたい。これが人生最期の奉公。悔いを残さずにあの世に行ける」とにこやかに語りました。

死生観がにじみ出るこの言葉に込められたものは、「目に見えないものへの感謝と畏敬」。これこそが、家庭、会社、国家において、調和と平和の源であり、日本が古来より大切にしてきた精神ではないのか、と思いました。

話を鎌倉投信に向けると、当社には、3つの「わ」(和・話・輪)を大切にする、という信条があります。その3つの「わ」の一つ目、「和」は、これに通じると感じます。

「和」は、一言ではいいあらわすことができない深い意味を持ちます。例えば、日本そのものを表すとされる「和」です。日本国は、起源前660年に神武天皇により建国された後、万世一系2,680年続くといわれ、世界にも類を見ない歴史を持つ国家です。

次に思い浮かべるのが、「和を以て貴しと為し、忤ふることなきを宗とす」。聖徳太子が制定した日本国最古の憲法といわれる十七条の憲法 第一条です。「物事の是非を一方的に定めて固執せず、互いを尊重せよ」という含意であり、調和と平和への祈りが込められていると感じます。

最後は、和に含まれる「中庸」の精神です。「中」には、「結ぶ」という含意があり、相対立しているものを統合して一段高いところに進める、という意味を持ちます。一人ひとりが自立し、互いに認め合い、新たなものを創造すること、多様性を統合する力のことをいうのだと思います。

これら「和」の精神の根底にあるものもまた「目に見えないものへの感謝と畏敬」ではないでしょうか。

法要を無事に終えたのち、集まった身内に向けて母はこのような言葉を残しました。
「お陰様で最期のお勤めができました。ここまで一人では生きてこられなかった。皆さん、支えてくれて本当にありがとう」

私が知る限り、誰よりも多くの人を世話し、誰よりも多くの人を支えてきた母から自然と発せられたこの言葉が意味することもまた、「多くの人への感謝と畏敬」でした。私が一生をかけて学ばなくてはならない究極のテーマのように感じました。

(本記事はメールマガジンの再掲です)

鎌倉投信がお届けする「心を結ぶ」メールマガジン。是非ご登録ください。
登録フォームはこちら