【報告】2020年秋期「結い 2101」運用報告会レポート その2 「いい会社」の紹介・活動報告(社会形成)

2020年11月24日、28日に「結い2101」運用報告会を開催しましたので、その概要をお伝えします。当日の収録動画および説明資料は、オンラインサービス「My鎌倉倶楽部」で受益者の皆様に限定公開しています。より詳細を確認したい方は、動画を視聴ください。

「結い2101」運用報告(社会形成)

目次
・投資先「いい会社」の紹介
・投資先「いい会社」の事業活動
・質疑応答
※「結い2101」運用報告(資産形成)については「運用報告会レポート その1」をご覧ください。



投資先「いい会社」の紹介

受益者総会の特設サイトに掲載した動画、調査活動で印象に残った一言を中心に、投資先の「いい会社」を紹介しました。
また、新規投資先、懸案事項のある(あった)投資先について報告しました。


【特設サイトの動画】
小林製薬さん、マイファームさんの動画を紹介しました。
(写真左)小林製薬は同社の特徴的な戦略である「小さな池の大きな魚」について紙芝居形式で説明しています。
(写真右)マイファーム 西辻社長。コロナ禍での取り組みを紹介しました。


【調査で印象に残った一言】
コロナ禍での「いい会社」の事業活動などを、企業調査で印象に残った一言として紹介しました。


「マイナス・ディスタンスを滅菌器具で支援する」
株式会社ナカニシ(歯科医が歯を削る際に使うハンドピースで世界のトップメーカー)

ソーシャル・ディスタンスといわれて久しいですが、歯科医は患者の口内に手を入れて治療します。ソーシャル・ディスタンスどころか、ゼロ・ディスタンスを超えて「マイナス・ディスタンス」になる。感染と隣り合わせの状況で心理的な不安も大きいだろうと、歯科医師を慮る気持ちを表した中西社長の言葉です。同社は操作性の高い滅菌器具を通じて、歯科医の方々の心労を軽減する気持ちで事業に取組んでいます。


「一時帰休はするがリストラはしない。自前でIT人財を育成し、業界をリードする」
株式会社島精機製作所(和歌山県に本社を置く、ニット製品の横編機の世界トップメーカー)

島精機製作所はアパレル業界が抱える環境問題や労働問題に対して強い危機意識を持っている会社です。その課題解決に向けて、切れ端の出ない無縫製ニット(ホールガーメント(R)ニット)横編機を世界に展開しています。新型コロナウイルスの感染拡大以前からアパレル業界の構造変化の影響を受け、業績面では苦戦していましたが、これにコロナ禍での業界全体の販売不振が加わり、2019年度に続き、2020年度も、営業損失になる見込みを発表しています。しかし、そんな状況の中でも従業員を大切にする姿勢は変わりません。「次なる進化に向けてIT人財を自前で育成し、デジタル化によってアパレル業界を持続可能なものに進化させていく」
この言葉からも島社長の覚悟が伝わってきます。


その他にも、TOTO、アニコムホールディングス、未来工業等の紹介をおこないました。


投資先「いい会社」の事業

「これからの社会に必要なこと」を軸に、投資先の事業活動を説明しました。
この記事では、その一部を紹介します。


「赤ちゃんをいつも真に見つめ続け、この世界をもっと赤ちゃんにやさしい場所にします」
株式会社ピジョン(哺乳瓶発祥の育児用品でトップシェア。介護用品も展開し、託児所運営も手掛けています)

日本では、早産などを理由に年間7,000人ほどの赤ちゃんが極低出生体重児(体重1,500g以下)として生まれてきます。その赤ちゃんの多くが母乳バンクを必要としていますが、供給は圧倒的に足りていません。「この世界をもっと赤ちゃんにやさしい場所にする」という理念を掲げるピジョンは、東日本橋にある本社の1階に母乳バンクを開設しました。理念を行動に移している「いい会社」です。
母乳バンクについての詳細は次の動画をごらんください。
「母乳バンク、知っていますか?」(You Tubeピジョン公式動画)


「お客様がご不要になったバッグを回収し、リメイクバッグを作りたい」
株式会社マザーハウス(「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という理念を掲げ、バッグ等の製造販売をしています)

コロナ禍で途上国のロックダウンにともない、生産工場の稼働を停止したほか、国内でも小売店の一時休業と厳しい状況が続きました。そんな中、使わなくなったバッグ等から革を回収して、その革で新しい製品をリメイクするという新規事業「RINNE」を立ち上げました。環境によいことに加え、このRINNEシリーズは売れ行きが好調です。社会性と事業性の両立を体現している会社です。
写真)Rinne 2 Way Mini Shoulder
動画)回収から生まれたリメイクバッグRINNEにかける思い


【新規投資先】
新規投資先であるTOTO、三浦工業については結いだよりで紹介しています。
TOTO(結いだより第117号 2020年12月発行)
三浦工業(結いだより第123号 2020年6月発行)


【懸念事項のある(あった)投資先】
〇株式会社HASUNA
2019年7月の本社移転で費用が嵩んでいたところ、コロナ禍で売上が減少し、財務状況が悪化しました。これにより、組入れ社債の評価額が約20百万円下落しました(2020年7月15日)。基準価額への影響は約10円(約0.05%)です。なお、HASUNAの業績は、2020年4月を底に売上高が回復しています。また、財務状況についても、増資を実施したことで改善が図られています。鎌倉投信では、同社と月次で面談をおこない、状況を十分に把握した上で、可能な範囲で支援を継続していく方針です。

〇ソウルドアウト株式会社
2020年7月21日に同社従業員が医薬品医療機器法に抵触した容疑で逮捕されました。これを受け、「結い2101」では追加購入を見合わせていましたが、同年の11月10日に解除しました。解除にいたった理由は、以下の二点です。
・実効性のある再発防止策が確立されていると判断したこと
・理念浸透に向けて、荻原会長が従業員と一層コミュニケーションをとるとの経営姿勢を評価したこと



質疑応答

運用報告会では、受益者の皆様から良質な質問がたくさん寄せられました。本記事では、そのうちの2つだけ紹介します(後日、受益者の皆様から寄せられた質問への回答を「結い日和」に掲載します)。

Q. 新型コロナウイルス感染拡大にともない業績が大幅に悪化している投資先はどの程度あるか、特に資金繰りに懸念が出ている先がないか。またそれら影響が大きかった投資先の今後の見通しについて教えてください。

A. 投資先68社の中で、新型コロナウイルス感染拡大による悪影響があると思われる会社は6割程度です。飲食業に関わるビジネスをおこなっている会社、あるいは飲食業の人財紹介に関わっている会社が厳しい状況となっています。しかし、売上高については、4~6月期を底に概ね回復していることを確認しています。また、利益面でも経費削減等により、底打ちしていることも支援材料です。

資金繰りに関しては、実店舗をもっている会社は、緊急事態宣言下においては一時休業により固定費の支払いにともなう資金流出がありましたが、緊急事態宣言解除後には、売上回復にともない、資金繰りも改善していることが確認できています。現在、資金繰りなども含めて、短期的に懸念のある会社はありません。


Q.投資先との「対話」というのは、どのようなスタンスのことか詳しく知りたいです。

A.昔は「物言う株主」という言葉が使われていました。「業績を上げろ」「配当性向を上げろ」など、数字を高めるために「ものを言う株主」。鎌倉投信の対話の姿勢というのはそういう意味で「もの言う株主」ではありません。鎌倉投信らしい対話とは、投資先企業のよいところや、個性をきちんと評価して、みなさんに知ってもらう。さらに、受益者総会やいい会社の経営者講演といった場で、受益者の皆様に投資先企業の活動を知ってもらい、その場を通じての関係性を強くしていくというのが基本的な対話のスタイルです。

受益者総会では20社ほどの企業が一同に集まるので、自然と投資先同士の連携が生まれていくということも鎌倉投信の場づくりの一つの副次的な効果です。その場づくりの中で信頼をつくりながら、当社が投資先企業の経営者と日頃から話し合いをおこなって、経営に対してのずれがないかを投資家目線で相談させてもらい、時には会社のためを思い、苦言を呈することもあります。
対話のベースには信頼があります。「いい会社がいい会社である限り保有し続ける」という投資姿勢そのものも、メッセージとなっていると思います。


[お知らせ]
・当日の収録動画および説明資料は、オンラインサービス「My鎌倉倶楽部」に限定公開しています。より詳細を確認したい方は、動画を視聴ください。
・運用報告会レポートその1 数値報告(資産形成)では、「結い2101」に関する数値の結果を報告しています。

(鎌倉投信 鎌倉倶楽部)