一問一答! 「投資先との対話」「ポートフォリオ管理」

秋の運用報告会でいただいた質問にお答えします!
2020年11月24日、28日に「結い 2101」運用報告会を開催しました。参加者からお寄せいただいた質問の中から、運用者として丁寧にお伝えしたいもの、受益者の皆様の関心が高いと考えるものを選び、回答します。

運用報告会の感想では「投資することに安心感ができた」「この人たちにお金を預けて良かった」「真摯な態度が伝わってきた」というお声を複数いただき、大変嬉しく思いました。
一方「ライブ感にかける」「資料が見づらい」「質問が多いということは普段からの情報開示が不足しているのでは?」といったご意見も頂戴しました。
引き続き、受益者の皆様とのよりよい対話を目指し改善するとともに、「投資家の資産形成と社会の持続的な発展」に向けて運用を続けていきます。
引き続きご支援の程、よろしくお願いします。

他の質問に関しては以下のリンクからご覧いただけます。
一問一答! 「投資先各社の状況」「鎌倉投信の経営」

「投資先との対話」

 質問
投資先との対話で人や会社の本質を見抜くのはなかなか難しいと思います。どういったポイントを見ているのでしょうか?
 回答
難しいことですが、定量面だけでなく、定性面を含めた両面から評価することを大切にしています。
現場での空気感もそうです。たとえば、挨拶や周りにあるものの整理の仕方などです。会社や工場に伺うと、働く場所に対してどのくらいの思い入れがあるのかが分かります。経営者が言っていることと社員が言っていることの一致度やギャップを一つ一つ積み上げて判断していくことで本物が見えてくると考えています。

 質問
投資先との対話を通じて、コロナと共存する上で持っていた方が良い視点を教えてください。
 回答
テレワークにより、対面でのコミュニケーションがとりにくくなっている中で、デジタルツールを積極的に取り入れ、コミュニケーションの量や質を維持・向上できている会社は期待が持てます。また、普段から社内対話や、関係先との対話を心がけている会社は、今回のコロナでより関係性が強まった気がします。取引先金融機関との信頼関係をきちんとつくっている会社はファイナンス面でのバックアップも早かったと思います。

 質問
コロナウイルス感染拡大によって多くの業界で苦戦されていると思いますが、そういう時にこそ、各社の姿勢が明らかになると感じます。投資先の好事例を他の投資先に共有することはあるのですか?
 回答
投資先との対話で、「他社さんはどうしていますか」という話題は自然とあがってきます。相談があれば、他の投資先の事例などを案内しています。

 質問
新規の投資先はどのように発掘されるのでしょうか?
 回答
すべての上場会社が調査対象の母集団です。例えば、社歴の長い会社には、長く事業を継続させる「いい会社」の秘訣があると考え、調査対象とすることがあるほか、「教育格差解消」など特定の社会問題からアプローチし、課題解決に取り組んでいる会社を調査する例もあります。このほか、経営理念等に共感できる会社や、匠な技術を有する会社など「いい会社」発掘の着眼点は多種多様です。また、社内や投資先の方々にとどまらず、知人や友人の意見も参考にしています。

 質問
投資先の社員との面談は企業統治の観点から制限されるような気がしますが、経営者側から従業員に対して「不利なことは言うな」などの圧力はないのでしょうか?
 回答
実際に圧力があるのかどうかは、わかりません。当社の調査方法としては面談以外にも、一消費者として働く現場に足を運び、日常の自然な状態を観察しにいくことは多々あります。

 質問
全売却する際は、事前にその会社に通知するのでしょうか?
 回答
売却の判断のための調査は面談等を通じてじっくりおこないますが、全売却の際の事前通知はしません。

「ポートフォリオ管理」

 質問
現金比率が高いのはリスクを安定化させる目的が大きいのでしょうか?
 回答
キャッシュ保有の一番の目的はリスク(価格のブレの大きさ)を抑え、調整することです。また、「結い 2101」の投資先は、時価総額が比較的小さく、頻繁に売買がおこなえない(流動性の低い)会社が多いです。そういった会社の株式を売却するには、ある程度の日数が必要になるので、現金を保有していない場合だと不利な株価で売却し、現金化しなければなりません。そういった状況を避けるため、キャッシュを保有している側面もあります。

 質問
日経平均との相関性はいかがでしょうか?
 回答
(ベンチマークをもった運用ではないので)日経平均との相関は見ていませんが、TOPIXと「結い 2101」の相関性は他のアクティブファンド(ベンチマーク以上の運用成績を目指すファンド)より低いです。参考までに2020年10月28日の日経新聞で、「結い 2101」がアクティブシェアの高いファンドとして紹介されています。アクティブシェアとは、参考指数(ベンチマーク)とファンドのポートフォリオがどれだけ似ているかを示す指標です。一般に、この指標が高いほどベンチマークとの相関が低いと考えられます。「結い 2101」は98.8%という同カテゴリ内のアクティブファンドと比較しても高いアクティブシェアとなっています。

 質問
投資先の投資配分は時価総額加重に変更してはどうでしょうか?(ここでいう時価総額加重とは、ある基準の金額を決めておき、あとは株価に任せるという方法です)
 回答
「結い 2101」では「いい会社は等しくいい会社である」という考えのもと、等金額投資のスタンスをとっています。また、株価に任せるという考え方は、ポートフォリオ管理の観点から危険かと思われます。「結い 2101」は時価総額が比較的小さい会社の株式が多く含まれています。小さい会社の株価は、大規模な会社よりも株価のブレが大きいものも含まれます。例えば、急騰した後に大きく下落するといった値動きをすることもあります。そういった価格変動は「結い 2101」のリスク(価格のブレの大きさ)を高めてしまいます。従って、投資先の株価が急騰した場合にはその一部を売却し、等金額投資になるよう調整をすることが有効だと考えます。

 質問
大株主10社に入っている投資先はありますか?
 回答
入っている会社もあると思います。「結い 2101」では現在のところ、投資先企業の発行済み株式の5%以上を保有しないよう心がけています。上場企業の発行済み株式数の5%を超える株式を保有した場合、金融商品取引法により証券取引所を通じて当局に「大量保有報告書」を提出する義務があります。そういった業務上の負荷を削減することも理由の一つです。

 質問
株式市場のリスクが高まっている中で現金比率を上げる投資行動は合理的だと思います。一方で投資先企業も苦しい時には、資金を残して欲しいようにも思います。良い企業を応援することとファンドのリスク管理はどの様に整理されているのでしょうか?
 回答
例えば「結い 2101」の投資先A社の株式を売却すると、違う投資家がA社の株式を購入することになります。つまり、流通市場において投資先の会社の株式を売却したとしても、直接的にその会社から資金が出ていく、ということではありません。なので、リスク管理のために株式を売却することが「いい会社」を応援しなくなることに直結するとは考えていません。一方で、投資先全体と比べて著しく株価が下落した企業については、等金額投資を維持するために、株式を追加購入します。

 質問
リスク対策として「現金」を多く保有することは理解できますが、価格変動に対する「保険」を保有する方法もあると思いますが、いかがでしょうか?
 回答
リスクを抑える方法として現金比率を上げる方法以外にも、オプションなどのデリバティブという金融商品を使用することを検討しましたが、使用することのデメリットを考慮した結果、使用しない方針です。取引コストが多くなること、お客様にとって不透明性が増してしまうことなどが理由です。

 質問
非上場会社の場合、「結い 2101」の基準価額にどのように反映しているのですか?
 回答
非上場企業には、社債で投資をしています。(約款に規定していますが)投資信託協会のルールに基づき、日本証券業協会が提供している社債の利回りを使用して、毎日時価評価をおこない、基準価額に反映しています。

 質問
リスクを年率10%以内にする目標ですが、その年率リスクはどのようにして算出していますか?
 回答
リスクの算出方法にも色々ありますが、10%の目標リスクと照らし合わせているのは、基準日から過去5年にわたる日次のリターンから算出したものです。平均リターンからどれくらいブレているかを表す、標準偏差という指標を使っています。この計算結果は月次運用レポートでもある「結いだより」に掲載しています。

 質問
株式の配当金は再投資されているのでしょうか?
 回答
基本的に配当金は再投資しています。各銘柄の配当額は四季報などに載っていますのでそちらを参照ください。

 質問
現金の運用は銀行預金ですか?
 回答
キャッシュ部分は、基本的にコール市場(金融機関同士が短期の資金を融通し合う市場)で運用(有担保翌日物)しています。

 質問
今後、「結い 2101」の純資産総額が大きくなりすぎる問題はありますか?現時点では、どの程度の規模(純資産総額)を想定していますか? 
 回答
運用商品にはその運用戦略に応じてそれぞれ適切な規模があります。「結い 2101」は時価総額が比較的小さい、小型株中心の運用となっていますので、運用戦略や手法を維持しながら大きな金額を運用することは難しいです。決定したわけではありませんが、現在の投資先の母集団(ユニバース)を考えれば、800~1,000億円程度の規模を目処に(例えば新規の口座開設を一時停止するなど)ソフトクローズする可能性はあります。

 質問
再度、緊急事態宣言が出た場合、再び景気の底になると考えていますか?鎌倉投信として何か備えはしていますか?
 回答
当社では景気予測に基づいた運用はしていません。景気を予測することが困難だと考えるためです。それよりも重要なのが、どのような経済状態であっても安定した運用成果を実現できるよう、リスク管理を徹底し分散投資をおこなうことや、様々な環境変化に適応できるような企業を選ぶことだと考えています。

 質問
非上場企業の投資のリターンはどのような形になるのですか?
 回答
非上場企業へは株式ではなく社債で持ち切り投資をしているので(原則、非上場企業の社債は満期まで継続保有をします)、債券の利子収入がリターンとなります。また、ポートフォリオの内訳として、債券比率は約2%となっています(2020年11月末時点 小数点以下切り捨て)

 質問
一社あたりの投資額についての決定プロセスを教えてください。
 回答
基本的に株式部分は等金額投資をしています。各銘柄への投資額は、純資産総額対比で約1%(2020年11月末現在)となっています(テクニカルな理由で投資金額がそれより小さい投資先もあります)。毎月発行している月次運用レポートでもある「結いだより」などにも運用の状況を掲載しています。

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