一問一答!(「企業調査・評価基準について」「その他」)

秋の運用報告会でいただいた質問にお答えします!
2020年11月24日、28日に「結い 2101」運用報告会を開催しました。参加者からお寄せいただいた質問の中から、運用者として丁寧にお伝えしたいもの、受益者の皆様の関心が高いと考えるものを選び、回答します。

運用報告会の感想では「投資することに安心感ができた」「この人たちにお金を預けて良かった」「真摯な態度が伝わってきた」というお声を複数いただき、大変嬉しく思いました。
一方「ライブ感にかける」「資料が見づらい」「質問が多いということは普段からの情報開示が不足しているのでは?」といったご意見も頂戴しました。
引き続き、受益者の皆様とのよりよい対話を目指し改善するとともに、「投資家の資産形成と社会の持続的な発展」に向けて運用を続けていきます。
引き続きご支援の程、よろしくお願いします。

他の質問に関しては以下のリンクからご覧いただけます。
一問一答! 「投資先との対話」「ポートフォリオ管理」
一問一答! 「投資先各社の状況」「鎌倉投信の経営」


「企業調査・評価基準について」

 質問
「結い2101」の組入れ対象から除外する基準について教えてください。
 回答
「結い 2101」では、「人」「共生」「匠」という観点で投資先を評価しています。当初評価した判断軸から外れてきたときには、取材や訪問を重点的におこない、修復が難しいと判断した場合には売却します。それ以外にも、上場廃止・グリーンシートの公開廃止などでやむを得ず継続保有を断念した会社もあります。

 質問
環境に対する一般的な認識にかなり違和感があります。リサイクルはより原料を消費し、化石燃料は4000年分あり、二酸化炭素の空気中濃度は0.04%であることが資源学会では常識だと聞きます。世に言われている環境問題は、本当なのでしょうか?
 回答
まず、リサイクルの原料消費についてはケースバイケースかと思われます。例えば投資先のエフピコさんは、ライフサイクル評価(LCA:Life Cycle Assessment)という、ある製品・サービスのライフサイクル全体(資源採取―原料生産―製品生産―流通・消費―廃棄・リサイクル)またはその特定段階における環境負荷を定量的に評価する手法を採用して環境負荷を計測しています。リサイクルしない場合と比べて二酸化炭素(CO2)排出量が約30%削減されると発表しています(出所:同社決算説明会資料)。
 次に、石油に関してですが、エネルギー白書(※1)によると、可採年数が約50年だそうです。
 また、CO2に関してはご指摘のとおり、世界の平均濃度は約0.04%で増加傾向にあり、気温の増加と正の相関関係にあります(※2)。ご質問の意図は大気中の濃度がたった0.04%でしかない物質が地球規模の気温上昇の主な原因になるのかという疑問かと察します。CO2には温室効果があるので、温暖化の原因のひとつであるのは確かですが、唯一の原因ではなく、不明な点も残されているように思われます。2015年に採択された「パリ協定」では、21世紀後半に人為的な温室効果ガス排出量を実質ゼロにすることが掲げられました。当社は、この世界的な要請に適応することができる企業を応援していきたいと考えています。
(※1)資源エネルギー庁 https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2020html/2-2-2.html
(※2)気象庁 https://ds.data.jma.go.jp/ghg/kanshi/ghgp/co2_trend.html

 質問
国連のSDGsについて、どのように見ていますか?
 回答
SDGsの発効によって、当社が創業時に掲げた「持続的な社会の発展のために、本業を通じて社会的課題を解決する会社を応援する」という運用姿勢の正当性を再認識できたきっかけの一つだと感じています。
一方で、投資先がSDGsに本気で取り組んでいるのか、上辺だけ取り繕っているのか見極める必要があると考えています。SDGsで掲げられた17の目標全てに全力で取り組むことは不可能に近いです。会社の本業と親和性が高いSDGsの目標は何か、目標が従業員にも共有され実行可能な体制が整っているか、といった点を注視して投資先と対話をおこないます。

 質問
外国株式には投資しないのですか?
 回答
今のところ投資の予定はありません。企業調査では(特に新たに投資を始める前に)、本社や工場などの設備に実地調査にいくことを重視していますが、海外企業だとコストがかかることもあるためです。海外で上場している会社で、日本に現地法人がある会社は調査がしやすいので、投資対象になる可能性はあります。しかし現在は、「これからの日本に必要とされる企業」に合致する海外企業を見つけられていないのが現状です。

 質問
スタートアップの企業が増えていますが上場間近の企業への投資は検討されていますか?
 回答
調査はしています。「結い 2101」では、これ以上非上場企業の株式は実務上保有できないので、スタートアップ企業に投資する場合は上場後になります。

 質問
日本企業の成長性に鑑みれば、今後、新規投資先の「いい会社」が見つかりにくいのではないでしょうか?
 回答
そうともいえません。日本企業の労働生産性は他の先進国に比べ高くないといわれていますが、逆にいうとそこに改善の余地(チャンス)があると考えています。

 質問
中国とは地政学的リスクをかかえていますが、日本企業が中国国内で安定的に営業できるものなのでしょうか?
 回答
金型製作用の研削盤を製造販売する和井田製作所さんは、中国企業に製品販売をするには、代金回収のリスクを考慮し、入金を確認してから製品を出すことで取引の確実性を高めています。また、ツムラさんは3年の月日をかけて、お互いの理念の一致を確認した上で、M&Aを実行しました。信頼関係が築けていることが非常に重要であることを示している例だと思います。(一問一答!「投資先各社の状況」「鎌倉投信の経営」参照)


「その他」

 質問
定期定額購入サービスのスケジュールについて、以前はHPに掲載がありました。最近は見かけなくなりましたが?
 回答
HPへの掲載は中止しましたが、2021年1月号から「結いだより」への掲載を再開しました。

 質問
年金的に受取ることができる仕組みは今後検討されますか?
 回答
社内でリバースモーゲージのような商品や個人年金商品について議論したことはありますが、商品開発は今後の課題です。取り崩しなどの仕組みについてもお客様の声を聞きながら、商品・サービスの向上を目指します。

 質問
本来なら2020年に東京オリンピックが開催され、景気回復も期待されたのですが、残念ながら2021年に延期されました。今後の投資において、来年のオリンピック開催に向けて、リスクとなりそうなシナリオをお持ちであれば、お聞かせください。
 回答
当社では経済予測シナリオに基づく運用はおこなっていません。社会・経済情勢が複雑化している中で、どのようなリスクがあって、それがどう顕在化するかを予測することはできないと考えているからです。当社では、長い時間軸の中で、社会の中で必要とされ、持続的に発展できる会社をしっかりと選んでいくこと。様々な変化に対応できる会社を見つけ、リスクを考慮した上でどう組み合わせるか、に注力していきます。

 質問
鎌田社長の後ろにあった掛け軸は何でしょう?
 回答
松尾芭蕉の句碑の拓本、「いかめしき をと(音)やあられの 檜笠(ひのきがさ)」です。
冬の厳しさを詠んだ俳句で、投資の格言などではありません。
(厳しい寒さだけあって、)霰(あられ)が厳めしい音をたてて、(私の被っている)檜の笠を打ちつけている(ことよのう…)
 質問
長期の投資とは、具体的に何年くらいを考えていますか?
 回答
鎌倉投信が「結い 2101」でおこなう投資については、「100年個人投資家に支持される長寿投信を目指し、300年社会に貢献する企業を支援する」ことを掲げていますので、100年続くためには何が重要なのかをチェックしています。
一方で、個人投資家がおこなう投資については、「結い 2101」では短期的な値動きや予想に基づいた投機的行動はせず、投資先のいい会社、鎌倉投信、受益者間の信頼関係のもと、ある程度長く保有していただくことを推奨しています。
「結い 2101」の過去の運用実績を見ると、5年程度の期間を投資されると、リターンの安定性は高まる傾向にあります。これにより、投資期間を推奨したり、運用成果を保証したりするものではありませんが、一つの参考としていただければと思います。

 質問
資料で使われている素敵なフォントを教えてください。
 回答
UDデジタル教科書体です。UD(ユニバーサルデザイン)は、障碍の有無や年齢などにかかわらず、たくさんの人々が利用しやすいデザインの総称です。

 質問
複利の運用を実感できるようなKPI化というのはできないでしょうか?再投資からの資産増加が分かれば投資している実感が湧くと思います。
 回答
分配金再投資後の基準価額の騰落率や設定来リターンの伸びが株式の配当金を再投資した結果になっている、と捉えてください。これらの数値は月次運用報告資料「結いだより」に毎月掲載しています。

 質問
商品名の「結い 2101」の「2101」はどんな意味ですか?
 回答
22世紀の初年である2101年という意味です。次の世紀につながる価値を多くの人と共につくるという想いを込め命名したものです。



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