令和3年 新春メッセージレポート「市場に惑わされない投資」~「結い2101」の10年と、これからの10年を考える~

令和3年1月16日(土)に、新春メッセージ「市場に惑わされない投資」と題して、「結い2101」の受益者とそのご家族様を対象に、セミナーを開催しました。当社社長の鎌田から、不安定な社会情勢下における長期目線の投資の考え方についてお話しました。この記事ではその一部をお伝えします。
※当日の収録動画はオンラインサービス「My鎌倉倶楽部」で受益者の皆様に限定公開しています。より詳細を知りたい方は、動画を視聴ください。
目次
・「結い2101」10年の歩み
・コロナ禍での投資先企業の姿勢
・市場に惑わされない投資軸をつくる


「結い2101」10年の歩み

2010年3月29日に設定した投資信託「結い2101」は2020年に丸10年が経ち、11年目を迎えています。あらためて、受益者の皆様に感謝申し上げます。
鎌倉投信は創業以来、次の志を掲げ、「金融を通じて、3つの『わ』が育まれる場としての運用会社」を目指してきました。その志は創業当時から変わっていません。

数字で振り返ってみると、「結い2101」の設定運用開始間もない2010年3月には、鎌倉投信に開設されている口座数は267口座、純資産総額は約3億円でした。2020年末時点では、20,901口座、純資産総額は約474億円です。

「結い2101」は、変動率を日本の株式市場の約半分の10%以下に抑えながら、目標収益率を年率4%(信託報酬控除後)とし、安定的な成長を目指して運用をしています。結果的に、5年・10年の期間を振り返ると、目標とする収益率を上回る成果をあげることができています。

足元では、コロナショックにより、不確実な経済状況となっていますが、この10年を振り返ってみると、1、2年に一度大きな出来事が起きていることが分かります。

様々な出来事や相場が下落する局面を乗り越えてきた受益者の皆様は、資産を形成することにおいて成功されていると思います。
一方で、相場の変動に心を動かされてしまって、市場反応型の投資行動をとってしまうと、資産形成にはつながらない結果となる場合があります。多少の利益を得ることはできても、目標とする資産形成を達成することは難しいです。
だからこそ、社会情勢の変化にともなう相場の変動は起こりえる、という前提の上で、長い目線で一貫した投資をおこなうことが重要です。

今、「結い2101」の基準価額は設定来高値を更新しています。本来であれば、100%すべてのお客様のトータル・リターンがプラスになっているはずです。しかしながら実際は、0.28%のお客様は、トータル・リターンがマイナスとなっています。なぜでしょうか。
市場が暴落したときに、不安になって売却してしまった人。もしくは、下落相場からの戻り局面で、少し利益が出たときに売ってしまった人、そういった売り買いの中でトータルマイナスの人…。要因は様々ですが、逆境に耐えられずに、一貫した投資姿勢を貫くことができなかったことが共通していると思います。


コロナ禍での投資先企業

このコロナ禍で「結い2101」の投資先企業のうち65%が売り上げを維持、または増加させています。言い換えると3割強の企業はマイナスで厳しい環境下にありますが、新たな成長の芽が育ちつつあります。

例えば、コロナ禍で打撃を受けた会社の一つに、ハウスウェディング事業をおこなっているアイ・ケイ・ケイさんがあります(2020年開催 第11回受益者総会では、現場で働く社員さんに登壇いただきました)。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響が広がる中、同社の金子会長の経営判断は早く、結婚式場の運営が厳しい状況になっても、お客様と社員の安全を第一に考えて危機管理をおこなってきました。苦境の中でも、今までに開発してきた新しい商材をECサイトで販売したり、新しい結婚式のスタイルを提案したりしています。この苦境の中から新しく、強い種が生まれているということを伝えたいです。平時に戻ったあとの成長が楽しみです。また、コロナ禍でも売り上げを伸ばしている会社には、大きく2つのタイプがあります。

① 社会構造の変化に影響を受けない会社
② 足元の構造変化を予想していた会社


投資先企業のうち、時価総額が大きく伸びた企業の1つが、すららネットさんです。同社は「教育に変革を、子どもたちに生きる力を」を企業理念に掲げ、教育格差の根絶を使命として、対話型eラーニング教材「すらら」の開発・提供および、主な提供先である学校・学習塾への経営コンサルティングをおこなっている会社です。

コロナ禍以前から、公立学校を含む、様々な教育現場に同社の学習教材が導入されています。これは一つの社会課題解決をしていると見ることもできますが、視点を変えると、同社の事業は、これからの教育に必要な要素を持っていたと見ることもできます。

これまでの学校教育では、同年代が同じ空間で、同じ教科書の、同じページを開いて学んでいました。しかし、答えのないものを探求する知性や知恵が求められる現代において、答えのある知識を同じように教えていくという画一的な教育体系には疑問があります。今は、一般教育の教材を展開していますが、この教材が知性を高めるようなものへと発展していくと、同社の社会的な価値はものすごく高まっていくと思います。

それぞれの子供たちが、学べるときに、学びに行くことができ、そこには様々な専門家の先生方がいる。江戸時代の寺子屋の現代版です。すららネットさんのように、ある程度社会構造の変化を予想して事業展開をしている会社はコロナ禍に拘わらず売り上げを伸ばしています。


市場に惑わされないために

近年の予測不能な時代を「VUCA(ブーカ)の時代」と表現します。
基本的に、将来を予測することは不可能で、これから先の10年、20年はより複雑な社会になると考えられます。鎌倉投信は、将来を予測したり、その予測に基づいた運用をおこなったりしていません。様々な大きな変化のトレンドがあり、予測不可能な金融市場であるという前提に立ったうえで、運用会社として、あるいは一個人としてどう向き合うかが、より重要になってきています。

では、予測不能な金融市場において、資産形成するにはどうすればよいのでしょうか。
シンプルで効果的な投資方法の一つは「続けること」です。そして、続けるための仕組みを持つことが重要です 。資産形成において成功している人は、共通して、一貫した投資姿勢を長く続けています。市場に振らされずに、自分が決めた自分の投資をしている。投資する商品を変えたりせず、自分のやり方をしっかり続けています。

しかし、自分なりの投資軸を見つけるのは簡単ではありません。ここで重要となるポイントは、「目的」と「自分なりの投資軸(ものさし)」を持つということです。
【目的を持つ】
以前、当社の説明会に参加された女性が次のような話をされました。「この度、子供が生まれました。この子の名義で積立を始めたいと思います。そして、20歳の成人のお祝いに『結い 2101』をプレゼントしようと思います。どうか『いい会社』への投資を通じて、よい社会にしてください。私もささやかながら、そのことに関われることが嬉しいです。」
お金の運用を単なる「金儲けの手段」として捉えず、長い時間をかけてふやしたお金を、何に使うかという目的が明確です。この目的を持つことによって、継続する力というのは、強まっていきます。みなさんも「試験に受かるため」「仕事の上でこれを成し遂げるため」など、目的を持って、逆境を耐え抜いた経験があるのではないでしょうか。

[自分なりの投資軸(ものさし)を持つ]
自分なりの投資軸を持つというのは、たとえば、
「鎌倉投信のような社会性を意識したお金の循環という考え方が自分に合っている」
「私は合理的に分散投資をして、低コストのインデックス運用をするのが合っている」
のような「ものさし」を持つことです。自分自身の「ものさし」を今すぐに見つけることができなくても、考え続けることが大切です。
また、自分なりの投資軸(ものさし)を形成するうえで、自分自身が「理解できる」金融商品を選ぶということも大切なポイントです。投資信託であれば、投資対象を知り、基準価額が大きく変動した場面において、「なぜ上がったか」「なぜ下がったか」の理由を理解することができれば、相場の変動に左右されず、一貫した投資姿勢を貫きやすいからです。信頼できる金融商品を自分なりに考えて選ぶということが重要です。
【最後に】
大変革期にあたり、今年もいろいろな大きな変化が起きると思いますが、鎌倉投信は前向きに挑戦の年と捉えています。役職員一丸となって、当社も「いい会社」を目指し発展していき、その果実を皆様にお届けしていきたいと思っています。令和3年、皆様のご多幸をお祈りします!(鎌倉投信 鎌田)