5つのトレンド(3)~ 情報発信者におけるパワーバランスの転換 ~

皆様、こんにちは。鎌倉投信の鎌田恭幸です。
いつも鎌倉投信のメルマガを読んでいただきありがとうございます。

SNSが、世界に本格的に広まり約20年が経ちました。SNSは、情報収集や知人とのコミュニケーション・ツールである一方で、10代の社会活動家が世界に大きな影響力をもったり、政治家が主義主張を展開したり、「#Me too」のようにハッシュタグで抗議の声が挙がる新たな 社会運動のスタイルが生まれたりと、世界の片隅からでも世界を動かす力を持つ情報発信媒体となっていることに疑いを持つ人はいないでしょう。こうした現象は、情報発信者におけるパワーバランスの転換であり、不可逆的なトレンドの一つといえるでしょう。

「世界を動かす」といえば極端なケースですが、とりわけこの10年で加速した情報発信者におけるパワーバランスの変化を、鎌倉投信の身近でも感じることが少なくありません。

一つは、「個人メディアの発信力の高まり」です。
鎌倉投信は、2010年3月末に公募の投資信託「結い 2101」を設定してから、間もなく11年を迎えます。この間、ホームページや説明会以外の広告宣伝をおこなうことなく認知度がそれなりに広まったのは、受益者の皆様がSNS等を通じて、利用者視点で情報を発信してくださったことが大きく影響していると考えます。個人の発信がマスメディアに触れ、総じて好意的な記事として取り上げていただき、社会に徐々に広がりました。鎌倉投信(企業側)による自己主張ではなく、同じ想いをもつ個人の情報発信がつなぎ役となってお客様との良質な関係の輪が広がったように思います。

次に、「消費者と生産者(企業)の融合」です。
例えば、先週のメルマガでも書いた、個人投資家の有志が主催する「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2020」です。この企画は、投資信託を購入する個人投資家が、投資家目線でよいと思う商品を投票によって表彰する制度で、「結い 2101」も何度か受賞しました。ここで注目したいのは、顧客側が商品・サービスの価値を評価し、それを製造・供給する企業に影響を与えるようになっているという点です。その結果、企業は、影響力のある情報発信者の声に耳を傾けながら商品づくりをおこない、市場開拓につなげるようになってきています。企業が消費者と共に商品、サービスをつくる事例は、既に様々な分野に広がっており、これもパワーバランスの変化の現れでしょう。

最後に、企業と消費者とをつなぐ「中間業者の立ち位置の変化」です。
かつて卸業者といわれた中間業者は、製造業者と強い関係を築き、中間業者が品揃えをして、商店の棚に商材を卸していました。そこに消費者の選択肢はそれほどありませんでした。しかし、今は、例えば、商品等の比較サイトにみられるように、商品の品揃えや魅力は、企業寄りではなく顧客目線から映し出されるようになっています。かつて、製造業者側の販売代理者の立場にあった卸業者は、この四半世紀で消費者の代理者に立場を鞍替えした のです。

かつては、モノやサービスをつくる企業側に情報の主導権がありました。比較情報をあまりもたない消費者は、企業や中間業者の宣伝文句が購買動機となり、その情報の非対称性(格差)の中にビジネス機会がありました。今では情報の非対称性の溝が狭まったことで、ビジネスの主導権が消費者に移ったといえるでしょう。言葉を替えれば、本当の意味での消費者志向が求められる時代になったともいえるのです。
(つづく)


(本記事はメールマガジンの再掲です)
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