ESG投資と「結い 2101」(その2)~ESG評価の本質~

先週のメルマガでESG投資と「結い 2101」について伝えたところ、企業IR(Investor Relations:インベスター・リレーションズ)のコンサルティングをおこなっている方から
「ESGの評価は、深さを追っていないので、合格点に達していれば、それ以上に極める意味もなく、企業の本質や存在価値を追求するまでに至ってないように思う」
「(会社としての)点数稼ぎ的な要素があるので企業のIR担当者も困惑している」
といった感想をいただきました。

この言葉から、ESG評価の真の役割は、「会社が自社の本質的価値を自覚し、社内においてその価値を深く掘り下げる作用を生じさせることにある」と理解しました。また、そうした観点から「結い 2101」の「人・共生・匠」の投資視点を振り返ると、投資先企業との対話を通じて、その役割の一部を担えているように感じました。昨今のESG評価は、企業活動の表層、つまり「着こなしの美しさ」を見ているのに対し、「結い 2101」は、企業活動の内面、「表層の奥にある根源」を観ようとしているように思うからです。

例えば、ESG評価のS(Social:社会)でいえば、働きやすさや女性活躍などを評価する項目として、女性管理職比率、ダイバーシティ、産休や育休、在宅勤務などへの福利厚生などが挙げられます。あるいは、G(Governance:ガバナンス)では、取締役の構成、内部統制機能、BCP対応力などが、E(Environment:環境)では、地球温暖化対策や生物多様性への対応、リサイクルなどの環境保全策などが評価項目としてあげられるでしょう。しかし、「御社自身が、それに本気で取組もうとする真の目的はどこにあるのか。それは、心の底からわき出るものか」といった問いに、その会社がどのように答え、行動に移せるかが、真に評価されるべきポイントだと感じます。

「結い 2101」では、「人」という視点で、社員個人の尊重、企業文化、経営姿勢などから会社の理念(存在目的)を実現するための組織像、「ありたい姿」を観ます。そして、「共生」という視点で、組織から、顧客・取引先、地域社会、自然環境など広く社会に対して「何を実現するか」という価値創造の領域を観ます。さらに、「匠」では、「どのように実現するか」という観点から、商品・サービスの優位性・独自性、市場性・収益性、変化への対応力・革新性などを観ています。それらは、相互に深く関係するもので切り離すことはできません。そして、会社の本気度は、相互の繋がりの深さによって量られ、深ければ深いほど会社の発展性と持続力は高まるでしょう。

「本来、会社が果たすべき社会的責任は何か」を考えるとき、究極的には次の二つだと私は考えます。
第一に、価値あるモノやサービスを供給することによって社会に貢献すること
第二に、会社の活動を通じて、人と人、人と社会を結び付けることによって個人の成長と、社会への貢献につなげる機会を提供すること

会社が、この二つの責任に向き合うきっかけを与えることがESG評価の本質ではないでしょうか。
(つづく)
鎌倉投信株式会社 
代表取締役社長 鎌田恭幸


(本記事はメールマガジンの再掲です)
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