ESG投資と「結い 2101」(その3)~ESG視点から「人」を考える~

先日開催した「結い 2101」の運用報告会には、日本全国から多くの受益者の皆様に参加いただき、本当にありがとうございました。鎌倉投信は、創業以来、会社の志(経営理念)や投資哲学をぶらすことなく、まっすぐ愚直に歩み続けています。これからも、運用報告会では、日々の努力の上に地道に積上げてきた一つひとつを、誇張することなく伝えていきたいと思います。次回の運用報告会も是非楽しみにしていてください。

さて、先週のメルマガで、会社の社会的責任の本質は究極二つ、第一に「価値あるモノやサービスを供給することによって社会に貢献すること」、第二に「会社という組織活動を通じて、人と人、人と社会を結び付け、個人が持つ個性や能力を社会への貢献につなげること」と書きました。

この「第二」こそが、ESGでいう「S(Social 社会)」への取組みの重要な領域の一つである、と私は思っています。「結い 2101」の投資の視点「人」「共生」「匠」でいえば、「人」さらには「共生」に通じるでしょう。まず「人」についてお話すると、鎌倉投信では主に「社員個人の尊重」「企業文化」「経営姿勢」の三つの要素から考察しています。

先週のメルマガでお伝えしましたが、鎌倉投信が投資する「いい会社」に期待することは、投資家目線で一律に測られるESGスコアのような指標を満遍なく上回ることではありません。「違い」、すなわち「個性」を磨くことです。各社の思想信条への想いが純粋で、深ければ深いほど、自ずと相異が現出し、会社の個性となり差別化の源泉にもなります。
そして、会社においても個人においても、個性の基礎をなすものは、自らが大切にする価値観や世界観でしょう。「いかにありたいか」を自らに問い、組織および個人の活動を通じて「何を実現するか」という目的達成への自覚でしょう。会社の社会的責任において本質的に大切なことは、ジェンダー、年齢、国籍、ハンデキャップといった概念を表面的に解消することではなく、組織に集うあらゆる個性の現出の度合いであり、その個性を組織行動として方向づけ、導いてゆくことのできるよき企業風土の醸成だと考えます。それを問うているのが鎌倉投信の視点でいう「社員個人の尊重」と「企業風土」であると理解しています。

そして、企業文化をつくる大切な要素であり、個人の行動、個性の現出に強い影響をもたらすものは、何よりも社内で繰り返される言葉、すなわち経営理念でしょう。それこそが、個性の求心力の中心であり、ESGのG(Governance企業統治)の根幹をなすと考えます。次回、ESG投資の「G」と、「G」と「結い 2101」視点「人」との関係性について考えてみたいと思います。
(つづく)
鎌倉投信株式会社 
代表取締役社長 鎌田恭幸


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(本記事はメールマガジンの再掲です)
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