ESG投資と「結い 2101」(その4)~ESG視点「G」と「人」の関係性を考える~

先週のコラムでは、ESG投資の「S」、「Social:社会性」と「結い 2101」のテーマ「人」との関係性について書きました。今週は、ESG投資の「G」、「Governance:ガバナンス」と「人」との関係性について述べたいと思います。

上場会社におけるガバナンスとは、一般に「会社が、株主をはじめ顧客・従業員・地域社会などの立場を踏まえた上で、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うための仕組み」と定義され(「コーポレートガバナンス・コード~会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上のために~ 」日本証券取引所)、ESG評価では、これを量る項目として、取締役会の人的構成や監査委員会の独立性、経営陣の報酬開示、汚職や不正防止といった企業倫理などが挙げられています。

「G」は、「E」や「S」と比べると比較的短期間で実績が見えるため、会社にとって取組みやすい分野といえるでしょう。そして、形式を整えるのではなく、自社に合ったガバナンスに真剣に向き合い、その在り方を試行錯誤する会社にとっては、経営の持続性を高める効果があると感じています。

その一方で、「G」で高い評価を得た会社でも、しばしば不祥事や経営を揺るがしかねない問題が生じるように、会社の持続的成長を支える重要な柱は、他にあると考えています。私は、それが
(1)経営思想
(2)健全な危機感
(3)経営革新能力
である、と考えています。

会社の存在目的を達成するためにこれら3つを機能させ、持続させるための仕組みづくりこそがガバナンスの本質、つまり経営管理の根源であると思います。「結い 2101」のテーマ「人」の評価視点の中でいえば、主に「経営姿勢」において量るポイントになるでしょう。いずれも定量的に量ることが難しいだけに、経営者と繰り返し面談する中で発せられる言葉や実際の行動、現地を訪問して職場の雰囲気や働く人の表情などに実際に触れることによって感じ取るものだと思っています。

では、「経営思想」とは何でしょうか。
経営思想とは、会社経営に対する経営者の思想・哲学や信念を意味するもので、経営者が企業活動を通じて存在目的である「経営理念」を実現するための根本精神にあたるものです。

突き詰めれば、「会社の存在目的を深く自覚し、その目的達成に向けた存続責任の果たし方への信念。とりわけ、社員の一人ひとりの人生を預かり、幸福を探求し続けることへの覚悟」の表れではないでしょうか。そして、その実現のために求められる必要不可欠な能力が、危機対応と経営革新の二つの能力でしょう。

次回、この二つの能力について詳しくお話したいと思います。
(つづく)
鎌倉投信株式会社 
代表取締役社長 鎌田恭幸


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#ESG投資と「結い 2101」

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