運用コラム 「ホープ」社への投資判断

「結い 2101」運用報告会では、投資先の企業風土や事業活動を紹介するとともに、懸念事項を抱える会社の状況と鎌倉投信の考え方も説明しています。今回のコラムでは、その一つであるホープさんについてお伝えします。

ホープさんは、自治体に特化したサービスを提供している会社です。「結い 2101」では、自治体の財源確保に繋がる事業活動に着目して「共生」のテーマで投資しています。元々は自治体が保有するスペースを有効活用する「広告事業」が主体でしたが、ここ数年で自治体向けに電力を低価格で提供する「エネルギー事業」が成長し売上高の大半を占めるようになりました。

このエネルギー事業は、電力調達価格が高騰するとホープさんの利益が圧迫される仕組みなのですが、今年1月に起きた、過去に類を見ないような電力調達価格の高騰により、同社は2月の決算説明資料で、1-3月期に大幅な営業損失の計上が見込まれると公表しました。さらに、4月19日に業績予想の修正を発表し、資本増強を実施しない場合には 2021 年6月決算期末において債務超過に陥る見通しであることが公表されました。鎌倉投信はかねてよりホープさんと定期的に対話の機会を持ち、エネルギー事業の運営方針についても様々な議論を交わしてきました。リスク管理体制構築に向けて前進している認識でしたが、その過程でこのような突発的事象が起こったことは大変残念に思います。

自治体の財源確保に貢献しようとするホープさんの「社会価値」については、引き続き評価しています。一方で、社会への貢献は会社が存続しなければ発揮できません。残念ながら、同社については、「いい会社」の基礎的要素である「持続的価値」に疑義が生じていると判断せざるを得ませんでした。これらを受け、ポートフォリオ管理上は、3月に保有比率を他の投資先の半分としたうえで、追加買い付けを見合わせています(「結い2101」純資産における同社株の保有比率は4月19日時点で約0.4%)。
引き続きホープさんの財務状況を注視し、必要に応じて受益者の皆様に報告します。同社がこの苦境を乗り越え、自治体に価値を提供できる会社であり続けることを願ってやみません。
(資産運用部 橋本)

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月次運用報告書「結いだより」134号掲載