「結い 2101」運用報告 社会形成 ペットボトル完全循環に向けた大きな一歩

ペットボトル完全循環に向けた大きな一歩

私たちの身の回りにはプラスチックがいたるところにありますが、世界では「プラスチックごみ問題」が注目を集めています。イギリスのエレンマッカーサー財団が、2016年のダボス会議で海洋に流出しているプラスチックごみの量は、世界全体で少なくとも年間800万トンあり、このままのペースでは、海洋に漂うプラスチックごみの重量は、2050年には魚の重量を上回ると警鐘を鳴らしました(※1)。プラスチックを捨てずにリサイクルすることの重要性を再認識する衝撃的な内容で、これを契機に多くの国や企業がプラスチックごみ問題やプラスチック資源循環体制の構築に本格的に取り組んでいます。

一番身近なプラスチックであるペットボトルの完全循環に向けて、この6月に「結い 2101」投資先の日本環境設計さんの子会社であるペットリファインテクノロジー株式会社(以下、PRT)は、神奈川県川崎市にある同社工場からリサイクルPET樹脂を初出荷しました。コロナ禍もあり、初荷式は簡素なものとなりましたが、この瞬間、日本環境設計さんは歴史的に大きな一歩を踏み出したことになります。
  • 写真:PRTさんのリサイクルPET樹脂 初荷風景


PRTは、2017年を最後に稼働が休止しましたが、2018年に日本環境設計のグループに入り、アサヒ飲料や双日の支援を受けながらこのたび再稼働に至りました(※2、3)。このPRTが画期的なのは、世界でも唯一といわれる「ケミカルリサイクル」を実用化した施設であることです。
  • 写真: PRT(ペットリファインテクノロジー株式会社) のHPより


リサイクル技術には「ケミカルリサイクル」(化学的再生法)と「メカニカルリサイクル」(物理的再生法)の2種類があり、「ケミカルリサイクル」は、原料に化学的な処理を施すことでPET樹脂の合成の途中段階まで分解してから再生する方法で、異物や汚れの除去といった点で、「メカニカルリサイクル」に対して優位性があります。これまで取り除けなかった微細な異物を取り除くことができ、同じ素材で何度でもリサイクルが可能となる画期的な技術です(※4)。

PRTは今後、年間22,000トンのリサイクルPET樹脂の商用生産をします。現状ではこのPET樹脂は従来品に比べて価格が高いですが、持続可能な循環型の社会システム構築への責任から、価格が高くても評価する飲料メーカーが出てきています。今後、技術向上によりコストも下がることで、多くの飲料メーカーからこのPET樹脂は支持を受けるでしょう。

ペットボトルをペットボトルとして何度も何度も使えるようになることを日本環境設計さんは「完全循環」と呼んでおり、石油の使用量削減、温室効果ガスの排出抑制にもつながります。今回のPRTはこの完全循環に向けた大きな一歩であり、まさしく本業を通じて社会貢献をされている事例です。この技術が世に広まりペットボトルの完全循環があたりまえの世の中になって欲しいです。
(資産運用部 長田)
出所: エレンマッカーサー財団
(※1)http://www3.weforum.org/docs/WEF_The_New_Plastics_Economy.pdf
出所:日本環境設計
(※2)https://www.jeplan.co.jp/2020/09/09/8641/
(※3) https://www.jeplan.co.jp/2021/03/19/9616/
(※4)https://www.jeplan.co.jp/technology/


【ご参考】
PRTの技術紹介の動画です。ぜひご覧ください。
https://www.prt.jp/#technology

月次運用報告書「結いだより」136号掲載
「いい会社」企業情報