鎌倉投信の志(経営理念)ができるまで② どうやるとよさそう?編

昨年度(2020年度後半)のことですが、社員中心のチームで当社の経営理念の見直しをおこない、鎌倉投信の志(経営理念)がまとまりました。
議論の経緯を振り返ることができるように、そして、みなさまにも当社のことをより深く知っていただけるように、その過程を記事にしてお伝えしようと思います。
経営理念を内容、運営、対象、体裁、目的という5つの性質に分け、それぞれの課題を整理しました。それにより、経営理念の見直しの進め方として、
・ 内容は全体的に問題ないので、趣旨を変えないように
・ 言葉で伝わりやすいように表現や組み立てを改善
・ 最終承認の際は経営者目線で、会社の存続・成長に資するかどうかを判断してもらう
という方向性が見えてきました。

今回は、表現や組み立てを改善するという課題について掘り下げて、何をどうやって見直すべきか、具体的な作業手順や留意点などを考えます。

一口に経営理念といっても、短く一つの要素で完結するものではありません。見直し前の経営理念もいくつかの要素からできていました。これらの要素を使って、全体の趣旨を変えない前提で伝わりやすく組み立てるためにはどうしたらよいでしょうか。

割とよく見かけるのが、「ミッション」「ビジョン」「バリュー」のように、見出しが表す定義にしたがって要素を分類する方法です。「ミッション」「ビジョン」「バリュー」の並び方にも何かしら根拠がありそうです。
このように体系立てる方法は、うまく使えば、言葉でわかりやすく伝えるには適した方法と言えるのではないでしょうか。「ミッション」「ビジョン」「バリュー」という見出しを付けるかはさておき、次のような手順を考えました。

① 分類ごとの定義を決める・・・「なにでまとめる?」
② 定義に沿って順番を付ける・・・「どうやってならべる?」
③ 定義に合った見出しを考える・・・「ひとことでいうと?」
④ 表現を見直す・・・「ほんとにつたわる?」

それぞれの手順について、具体的な作業と留意点も考えました。

① 分類ごとの定義を決める・・・「なにでまとめる?」

まずは経営理念全体の趣旨を正しく把握する必要があります。前回の記事で触れたとおり、主にヒアリングを通して認識を固めました。そのうえでいくつに分類するか、どのように分類するかを考えます。分類があいまいだと混乱を招くので、趣旨を十分に理解したうえで分類の定義を明文化しておくことは大切です。
わたしたちは、それぞれの分類が独立して重複のないように注意しながら、明確に定義しておくことを心掛けました。

② 定義に沿って順番を付ける・・・「どうやってならべる?」

たとえば積み木を積むときに、大きいものから積み上げたり、重いものから積み上げたりしますよね。
経営理念で調べてみると、例として、抽象的なものから具体的なものへと順番に配置する考え方があるようです。この例では「抽象度合い」という切り口に注目していますが、このように何かの切り口に注目して、一貫してその度合いの高いものから順に配置するという方法は、言葉の流れを上から順に追っていくことを前提とすれば伝わりやすいと言えそうです。
わたしたちは、鎌倉投信にとっての「不変さ」という切り口で順番を考えました。

③ 定義に合った見出しを考える・・・「ひとことでいうと?」

「ミッション」「ビジョン」「バリュー」の例を挙げましたが、そのほかにも使えそうな言葉はたくさんありそうです。「クレド」「スピリット」「社是」「社訓」「価値観」「行動指針」・・・など。たとえば、「ミッション」とは何を表しているのでしょう。すぐに明確なイメージが思い浮かぶ人は多くないような気がします。意味がすっと伝わるためには工夫が必要かもしれません。
わたしたちは、伝わりやすくするために、平易で解釈の幅が小さい言葉にすることを心掛けました。

④ 表現を見直す・・・「ほんとにつたわる?」

これまでの手順で一通り経営理念の要素を並べたあとは、表現を細かく見直していく作業になります。具体的には言葉の言い換え、追加、省略ですが、これらを趣旨が変わらない範囲でおこないます。
わたしたちは、平易で簡潔かどうか、言葉が十分足りているか、ということを念頭に置き、一言一句見直しました。


連載2回目にして、手順まで明確になりました。
まとめると、このような感じです。

① 分類ごとの定義を決める:各分類が独立して重複のないように明確に定義する
② 定義に沿って順番を付ける:鎌倉投信にとっての「不変さ」の順に並べる
③ 定義に合った見出しを考える:平易で解釈の幅が小さい言葉にする
④ 表現を見直す:平易で簡潔に、言葉に不足なく、一言一句見直す

次回は、①~③までの手順によって組み立てた分類項目、その順番、定義を詳しくご紹介できればと思います。勿体ぶったわけではないですが、経営理念の本文が登場するのはまだ先になりそうです。

(上林)

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#鎌倉投信の志

月次運用報告書結いだより138号掲載