ESG投資と「結い 2101」(その17&18)~ESG視点「S」と「共生」~

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◇◆◇━2021年8月6日━
ESG投資と「結い 2101」(その17)
~ESG視点「E」と「共生」自然環境~
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皆様、こんにちは。鎌倉投信の鎌田恭幸です。
いつも鎌倉投信のメルマガを読んでいただきありがとうございます。

鎌倉投信の本社屋は、夏の風物詩 蝉時雨がひっきりなしに降り注いでいます。
海に近く、緑も多い鎌倉は、都心に比べると幾分涼しいとはいえ、年を追うごとに暑さが増しているように思います。
今まで経験したことのない豪雨もふえ、気候の異変を身近に感じます。

さて、今回は、ESG投資のG(Governance:企業統治)、S(Social:社会)に続き、こうした気候変動に関連するE(Environment:環境)と「結い 2101」との関係性について個人的視点で考えます。

ESG投資の「E」とは、社会や経済の持続性を確保する上で前提条件となる環境課題に対して、企業が適切に取組んでいるか否かを評価するもので、代表的な評価項目として、気候変動、自然環境保護、生物多様性、水や大気の汚染、廃棄物管理等が挙げられます。
鎌倉投信が設定・運用する「結い 2101」の投資視点でいえば、「共生」、さらには「匠」で量られる項目でしょう。
そして、近年、「E」に対する世界の投資家の目線が一段と高まっているように感じます。

その背景に、近年、世界各地で頻繁に発生している大規模な自然災害があるでしょう。
そのことについて、世界経済を牽引するリーダーからなる世界経済フォーラムは、「グローバルリスク報告書(2021年)」を開示し、今後10年間で最も可能性の高いリスクの第1位に異常気象、第2位に気候変動緩和・適応への失敗、第3位に人為的な環境災害を挙げるなど、強い警鐘を鳴らしています。

こうした危機感の中、日本政府は、先の気候変動サミットで各国が温室効果ガス(GHG)の削減目標を表明したことに歩調を合わせ、2030年度のGHG排出量を13年度比46%に削減することを目標に掲げ、さらに50%削減を目指す、と表明しました。
また、主要国の中央銀行、財務省等からなる気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD) は、気候関連財務情報開示の枠組みを提示するなどして、企業に様々な情報開示を求め始めました。
気候変動を、金融システム全体に影響を与える大きなリスク要因として捉えているからに他なりません。
人や社会の営みを維持するために、日本を含めた世界の主要国、主要機関が、「人」中心の発想から「人と自然との共生」へと、意識と行動を転換させざるを得ない状況になった、といえるでしょう。

このような大きな動きの中で、「結い 2101」の投資先を含めた日本の企業も、環境問題への取組みを自らの事業存続に必要不可欠な重要テーマとして捉える企業が増えてきました。

例えば、「結い 2101」の投資先ではありませんが、花王は、環境問題を含めた自社のESG戦略について、225ページにおよぶ「Kirei Lifestyle Plan」を策定し、2030年までに脱炭素、ごみゼロ、水保全、大気・水の汚染防止等の達成目標を掲げました。
その中では、2040年までにカーボンゼロ、さらには2050年までにカーボンネガティブ(排出量を吸収量で相殺するのではなく、排出量より吸収量を多くすること)をめざすことや、使用電力を100%再生可能エネルギーで賄うことをめざす国際的なイニシアチブ「RE100」に申請するなど、相当の本気度がうかがえます。
こうした動きは、取り分けブランド価値を大切にする大手企業において加速するでしょう。

個々の企業が環境課題に向けて最善を尽くす一方で、以下の3つの分野に直接的に取組む企業が活躍することもまた重要でしょう。
(1)自然循環型エネルギーを供給する企業
(2)循環型社会の仕組みを担う企業
(3)両者に求められる技術を提供する企業
です。

ESGの「E」と「結い 2101」の「共生」を量る着眼点「自然環境」との大きな相違点は、「結い 2101」の場合、本業のど真ん中で、こうした社会価値創造領域に取組む「いい会社」を発掘している点にある、といえるでしょう。

ここから数回にわたり、「E」と「共生」さらには「匠」との関係について考えます。(つづく)

鎌倉投信株式会社 
代表取締役社長 鎌田恭幸


◇◆◇━2021年8月13日━
ESG投資と「結い 2101」(その18)
~ESG視点「E」と「共生」自然環境~
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皆様、こんにちは。鎌倉投信の鎌田恭幸です。
いつも鎌倉投信のメルマガを読んでいただきありがとうございます。

ESG投資の「E(環境:Environment)」の中心テーマ「気候変動」に関連して、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、9日、第6回評価報告書を公表し、「人間活動の温暖化への影響は、疑う余地がない」と、強い危機感を示しつつ、更なる対応と国際協調の必要性を指摘しました。

スイスに本部を置く民間のシンクタンク「ローマクラブ」が1972年に発表した警鐘「現在の傾向が続けば100年以内に地球上の成長は限界に達する」が、半世紀経ってようやく世界の主要国間で共有され、これから、カーボンニュートラルに向けた政策推進、サプライチェーン・バリューチェーンを含めた企業の環境対応、再生可能エネルギーの導入拡大、ライフスタイルの転換(循環型経済・社会へのシフト)、新技術の開発などが加速する見込みです。

「CO2排出量ゼロの世界をつくる」ということは、言葉を替えれば、「成長よりも持続性を重視し、持続性に対してお金を払う時代になった」といえるのではないでしょうか。
資本主義の大きなパラダイム転換にも映ります。
こうなると、企業は、地球環境を含めた社会の持続性を高める(少なくともマイナスの影響を与えない)ことが事業継続の前提となり、ESG評価の「E」においてその過程が厳しく測られるでしょう。
それだけに、企業を観る私たち運用会社にも、環境への取り組みに対する真剣さが問われます。

一方、鎌倉投信の「結い 2101」では、主に投資視点「共生」を量る着眼点「自然環境」において、本業のど真ん中で、社会の持続性を高める事業領域に本気で取組む企業を発掘し、応援しているという点で、形式的・網羅的に総合的な評価をおこなうESG投資とは異なります。

その事業領域とは、先のメルマガで伝えたとおり、
(1)自然循環型エネルギーを供給する企業
(2)循環型社会の仕組みを担う企業
(3)両者に求められる技術を提供する企業
です。

鎌倉投信が選ぶこうした企業は、一般のESG評価では上位に位置しないことが多いものの、前述の時代背景の中で、存在感を高めると考えます。

そこで、この3つの領域について、「結い 2101」の投資先「いい会社」の代表的な取組みを紹介したいと思います。
まずは、自然循環型エネルギーを供給する「いい会社」、(株)ユーグレナについて、次回取り上げます。(つづく)

鎌倉投信株式会社 
代表取締役社長 鎌田恭幸

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