鎌倉投信の志(経営理念)ができるまで③ どんな形になるの?編

昨年度(2020年度後半)のことですが、社員中心のチームで当社の経営理念の見直しをおこない、鎌倉投信の志(経営理念)がまとまりました。
議論の経緯を振り返ることができるように、そして、みなさまにも当社のことをより深く知っていただけるように、その過程を記事にしてお伝えしようと思います。
経営理念の表現や組み立てを改善する、という課題を掘り下げました。それにより、具体的な作業として、
① 分類ごとの定義を決める:各分類が独立して重複のないように明確に定義する
② 定義に沿って順番を付ける:鎌倉投信にとっての「不変さ」の順に並べる
③ 定義に合った見出しを考える:平易で解釈の幅が小さい言葉にする
④ 表現を見直す:平易で簡潔に、言葉に不足なく、一言一句見直す
という手順まで明確になりました。

今回は、①~③までの手順によって組み立てた分類項目とその定義を詳しく紹介します。当社にとって「不変」なものから順に、次のような分類になりました。

◆ ありたい姿

[定義]前提として必要となる、大事にしたい姿勢や価値観を表現したもの。


「ありたい姿」は、当社自身がどうありたいかを表しています。時代や環境の変化に左右されず守っていきたいものとして、最上位に位置付けました。

◆ 目指す将来像

[定義]長期的、大局的な観点で、最終的にどのような対象にどのようなよい影響を与えたいかを表現したもの。


「目指す将来像」には、時間軸と、当社以外の物事の存在という概念が生じています。そのため、それらの影響を受けて内容が変わる可能性がわずかにあるので、2番目に位置付けました。

◆ 何を実現するか

[定義]短・中期的、直接的な観点で、事業の営みによって、ステークホルダーに対して、継続的に果たしたい役割を表現したもの。


上位の「目指す将来像」は長期的、大局的な観点でしたが、「何を実現するか」は短・中期的、直接的な観点として、明確に棲み分けています。比較すると、短・中期的、直接的な観点の方が時代や環境の変化による影響を受けやすくなると考え、「何を実現するか」はより下位の3番目に位置付けました。

◆ どうやって実現するか

[定義]役割を果たすための手段として、ステークホルダーに対して、どのような関係性をつくるかを表現したもの。


上位の「何を実現するか」では当社が果たしたい役割を表現していますが、「どうやって実現するか」ではその役割を果たすための手段を表現しています。目的のために手段を変えるのは悪いことではないという考えから、「何を実現するか」の下に「どうやって実現するか」を位置付けました。
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ところで、これら4つの分類を「不変さ」の順に並べたことにはどのような意味があるのでしょうか。「不変さ」のほかに考えられる切り口としては、たとえば「具体性」というものがありそうです。今回の見直しで、その「具体性」という切り口を採用しなかったのには理由があります。

「具体性」という切り口で見た場合、当然ですが、具体的なものもあれば抽象的なものもあるということになり、具体的なメッセージは比較的行動に移しやすく、それに比べて抽象的なメッセージは行動に移しにくいという差が生まれます。社員の立場では経営理念を仕事に活かすことが求められるわけですが、そうすると行動に移しやすい具体的なメッセージにフォーカスし、反対に、行動に移しにくい抽象的なメッセージに対しては当事者意識が薄れてしまうのではないかということを懸念したためです。

そのような、行動に移しやすいか、移しにくいか、という差が生じないように考えた結果、「不変さ」という切り口になりました。不変なものから、不変でなく将来変わり得るものまで、どの要素を切り取っても「今」にとっては等しくフォーカスし行動に移せるもの、という意味になります。

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このように当社では経営理念を4つに分類し、それぞれの分類ごとに考えた定義に従って、上から順に「ありたい姿」「目指す将来像」「何を実現するか」「どうやって実現するか」という見出しを付けました。「ミッション」「ビジョン」「バリュー」のような組み立て方とは様子がだいぶ異なりますが、みなさんの目にはどう映るでしょうか。鎌倉投信の伝えたいことが割とイメージしやすいのでは、と思います。

また、今回は経営理念の中身だけではなく、全体をまとめて呼ぶ呼び方、いわゆる総称と、その定義も明確にしました。

総称:鎌倉投信の志(経営理念)

[定義]鎌倉投信の存続・成長のために、変えてはいけない存在目的を、かかわるすべての人に対してわかりやすい言葉で表現したもの。


そう、本連載のタイトルでもすでに使用しているものです。総称では、「和」を大切にする当社らしさを「志」という言葉で表現しています。しかし「志」だけでは一般的に経営理念の類のことだと理解してもらえない懸念もあったので、カッコ書きで(経営理念)と一般的な用語を付け足しました。
この定義は、本連載の初回記事でご紹介した最初のステップで、経営理念を内容、運営、対象、体裁、目的の5つに分解して整理した性質をひとつにまとめたものです。ぜひ過去の記事を振り返ってみてください。


さて、連載も3回目となり、ようやく経営理念の枠組みまで完成させることができました。
あらためて分類項目、その順番、定義を示すと、次のとおりです。

◆ ありたい姿
[定義]前提として必要となる、大事にしたい姿勢や価値観を表現したもの。
◆ 目指す将来像
[定義]長期的、大局的な観点で、最終的にどのような対象にどのようなよい影響を与えたいかを表現したもの。
◆ 何を実現するか
[定義]短・中期的、直接的な観点で、事業の営みによって、ステークホルダーに対して、継続的に果たしたい役割を表現したもの。
◆ どうやって実現するか
[定義]役割を果たすための手段として、ステークホルダーに対して、どのような関係性をつくるかを表現したもの。

総称:鎌倉投信の志(経営理念)
[定義]鎌倉投信の存続・成長のために、変えてはいけない存在目的を、かかわるすべての人に対してわかりやすい言葉で表現したもの。


次回はいよいよ最終回、表現の見直しです。
元の経営理念の要素を「ありたい姿」「目指す将来像」「何を実現するか」「どうやって実現するか」に分類したうえで、言葉を追加・言い換え、省略することによって、平易で簡潔に、言葉に過不足なく、一言一句見直しました。ついに鎌倉投信の志(経営理念)の全体像が明らかになります。

(上林)

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