ESG投資と「結い 2101」(その21&22)~ESG視点「E」と「共生」・「匠」~

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◇◆◇━2021年9月3日━
ESG投資と「結い 2101」(その21)
~ESG視点「E」と「共生」トレジャー・ファクトリー~
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皆様、こんにちは。鎌倉投信の鎌田恭幸です。
いつも鎌倉投信のメルマガを読んでいただき、ありがとうございます。

今週も、ESG投資の「E(環境:Environment)」と鎌倉投信「結い 2101」の投資視点「共生」を量る着眼点「自然環境」との関係を個人的視点で考えます。

「自然環境」について自分事として考える時、一番身近なモノといえば、毎日欠かさずに身に着ける衣服かもしれません。

昨年、環境省が外部に委託した調査(環境省 令和2年度 ファッションと環境に関する業務調査)によると、

(1)衣類の国内新規供給量は、年計82万トン。使用後に手放される衣類は、79万トン。うち、廃棄される量は、手放される衣類の65%、リサイクル・リユースされる衣類は35%

(2)世界中の服1着を生産するために排出されるCO2は、25.5キロ(うち、原料調達・紡績・染色・縫製・輸送までの上流工程が、全体の95%を占める)

(3)服1着生産するために必要な水は、2,368リットル

(4)(定量的な把握は困難としながらも)信頼できる機関による調査によると、最大80%の排水が適切に処理されずに環境に放出されている

等、衣類が自然環境に与える深刻な影響が報告されています。

こうした問題をはらむ、衣料・ファッションブランドの大量生産・大量消費型のビジネス構造は、ESG投資でいえば、「E」に直結する大きな社会課題領域といえるでしょう。鎌倉投信の「結い 2101」では、本業のど真ん中でこうした問題解決に取組む会社を、投資視点「共生」を量る着眼点「自然環境」で観ていますが、正直、基準に合致する会社は多くはありません。

例えば、「結い 2101」の投資先ではありませんが、こうした問題に真正面から取組む会社といえば、米カリフォルニアに本社を置きアウトドア・ウェアなどを製造販売するパタゴニア(非公開企業)でしょう。同社は、衣類が原因となる環境問題を消費者に伝えながら、自社製品づくりの過程で、リサイクル繊維の使用、オーガニックコットンの栽培、労働環境の改善などに取組み、最近では、消費を減らし、すでに所有する衣類を長期間活用するWorn Wearとよばれるプロジェクトに力を注いでいます。

こうした取組みへの賛同もさることながら、商品自体のファッション性、機能性も優れていることから、鎌倉投信のチームウェアとして愛用しています。

長期間活用するという観点では、リサイクル・リユースも大切です。その仕組みを本業のど真ん中で提供する「結い 2101」の投資先が、不用品に新しい命を吹き込んで、世の中に再び送り出す総合リユース事業に取組む、(株)トレジャー・ファクトリー(=宝物の工場)です。

中学生の時から起業を目指していた創業社長の野坂さんは、50個の事業アイデアを考えていく中で、バイト先の量販店のゴミ置き場に、まだまだ使える家具や家電などがたくさん捨てられている光景を目の当たりにします。これをヒントに、不要になった衣類やモノと、そこに新しい価値を見出した人とをつなげるリユース事業を始めたのでした。

1995年、手元資金わずか30万円から始めた事業は、現在、国内・海外で10業態200店舗を超え、売上高は約200億円にまで成長しました。そして、同社の事業を通じて、年間1,700万点以上の衣類やモノが、捨てられることなくリユースされています。

「使い捨て」が当たり前だった創業当時、リユースが社会に浸透し、社会をよくするプラットフォームになることを予想できた人は稀でしょう。創業から四半世紀が経ち、「使って循環させる」を当たり前にした野坂社長の信念と経営力に心から敬意を表します。

9月25日(土)に開催した「結い 2101」第12回受益者総会(※)「未来と結ぶ、想いの軌跡 ~10分の1を超えて~」では、トレジャー・ファクトリーの野坂社長に登壇いただきました。「徳川幕府を超えて、300年続く会社づくりを目指す」、野坂社長の想いを皆様に届けられたと思います。

受益者総会 特設サイトは、こちらです↓↓
https://www.kamakuraim.jp/bm2021/
(つづく)

(※)「受益者総会」は、鎌倉投信の登録商標です。

鎌倉投信株式会社 
代表取締役社長 鎌田恭幸


◇◆◇━2021年9月10日━
ESG投資と「結い 2101」(その22)
~ESG視点「E」と「匠」~
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皆様、こんにちは。鎌倉投信の鎌田恭幸です。
いつも鎌倉投信のメルマガを読んでいただきありがとうございます。

先日、「ユーグレナ」の代表取締役社長 出雲充さんと現役高校生の最高未来責任者(CFO:Chief Future Officer)川崎レナさんをお招きして「いい会社訪問オンライン(※1)~未来を守るエネルギー~」を開催しました。同社は、このメルマガ572号(2021年8月20日発行)の中でも、鎌倉投信「結い 2101」の投資視点「共生」を量る着眼点「自然環境」で紹介した「いい会社」です(CFOの川崎さんの崎の文字は正しくは、立つさき)。

この催しには、1200名を超える受益者とそのご家族に視聴申込いただきました。休日にも拘わらず参加いただき、本当にありがとうございました。出雲社長の話はもとより、若い川崎さんの未来志向のメッセージに刺激を受けた受益者も多くいらしたことでしょう。「結い 2101」への投資を通じて、環境や様々な社会課題を自分事として捉え、自分にもできる小さなことに取組むきっかけになれば嬉しいです。催しの様子は、Yahoo!ファイナンスなどでも紹介されていますので是非ご覧ください。

ご参考:Yahoo!ファイナンス
鎌倉投信の「いい会社訪問」、ユーグレナのサステナブル経営にファンド受益者の関心沸騰

さて、今週は、ESG投資の「E(環境:Environment)」と鎌倉投信「結い 2101」の投資視点「匠」との関係について個人的視点で考えます。

「結い 2101」の投資先は、多岐にわたる評価指標から総合的に測るESG評価で上位に挙がる会社は稀です。また「結い 2101」の投資先には、独自の投資視点「共生」だけではなく、「匠」の視点から量っても、本業のど真ん中で、環境負荷の軽減に貢献する技術を開発する個性的な会社が少なくありません。ESG評価でいえば、「E」に直接かかわる会社といえるでしょう。

その中でもESG評価、「結い 2101」の独自視点の双方で高い評価を得ている会社が、愛媛県から世界No1の産業用ボイラ・メーカーを目指す「三浦工業」です。蒸気から熱をつくりだすボイラは、クリーニングや食品加工、滅菌洗浄など様々な産業分野で利用される熱供給機器の一種です。その中でも、同社は、熱効率を高めた小型貫流ボイラに強みをもち、その分野で国内60%のシェアです。

ボイラの熱効率といってもピンとこないかもしれません。例えば、ガスコンロの熱効率が概ね30%といわれる中で、同社は独自の技術開発によって98%にまで高めてきました。さらに、原水から排水処理にいたる様々な工程で発生するエネルギーロスや排水を資源として再利用する技術を開発・提供することによって、製造工程全体から排出されるCO2削減や水の浄化、エネルギー効率の向上に大きく貢献しているのです。10度の低温排水から最大75度の熱水に再利用できるというから驚きです。

こうした同社の取組みは、海外からも高く評価されています(※2)。例えば、カーボンニュートラルの実現に全面的に取組む方針を発表した中国では、同社は「中国の空を青くしよう」というスローガンのもと、石炭を燃料とするボイラから大気汚染物質が発生しにくいボイラへの入替えを推進しています。

また、暖房システムにおけるボイラ設備の稼働率が低いロシアにおいて、一部地域を対象に、昨年10月から貫流ボイラの省エネ効果や経済性を検証するための基礎調査を始めています。将来的に、同社が提供する高効率なボイラ設備がロシア国内に導入され、広大な面積を持つ同国のエネルギー節約に繋がることを期待したいところです。

このように、「結い 2101」の投資先には、日本だけではなく世界の自然環境に貢献する「匠」の会社は少なくありません。セーターなどを上から下まで一着丸ごと編み上げることができる横編機(ホールガーメント)を製造・販売する「島精機製作所」は、生地のカットロスや縫い代のロスを減らし、結果的に自然環境への負荷を減らすことに寄与しています。

自動車排ガス浄化触媒材料で世界シェア約40%を有する「第一稀元素化学工業」、排ガス測定装置の世界シェア約80%を有する「堀場製作所」もまた、本業を通じて「自然環境」に貢献する会社といえるでしょう。

鎌倉投信は、「結い 2101」から投資する「いい会社」が持つ「匠」の技術が、世界で活用され、エネルギー効率の向上や環境問題の解決につながることを期待しています。
(つづく)


(※1)「いい会社訪問」は、鎌倉投信の登録商標です。
(※2)月次運用報告書「結いだより」第128号(2020年11月6日発行)環境分野での世界貢献を参照ください。↓↓↓
https://www.kamakuraim.jp/_files/10-200/yuidayori202011.pdf

鎌倉投信株式会社 
代表取締役社長 鎌田恭幸

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