「平和への祈り」「逆境下で輝く会社の価値を観る」

(本記事は毎週金曜日に発行しているメールマガジンの再掲です)

最新の内容をお読みになりたい方は、メールマガジンにご登録ください。
>>登録フォームはこちら

◇◆◇━2022年3月11日━
平和への祈り
━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇

皆様、こんにちは。鎌倉投信の鎌田恭幸です。
いつも鎌倉投信のメルマガを読んでいただきありがとうございます。

「命」について考えるとき、いつも思い起こす言葉があります。

人生を見つめるときの三つの真実、
一、人は必ず死ぬ
二、人生は一度しかない
三、人はいつ死ぬか分からない
です。

私が、折に触れ指導を受けるメンターの一人、田坂塾 塾長の田坂広志先生が講和の中で必ず語るメッセージが、「この三つの真実、さらには自分の人生は自分でしか歩むことはできない、自分自身の人生は自分が責任を持つことを直視することが、深みある人生観を定めることに通じる」です。
これによって、生きる上での覚悟が定まる、と何度も教わりました。

今日で東日本大震災から丸11年が経ちました。
私が生まれて以降に起きた自然災害の中では、最も被災者が多いだけに、記憶から決して消されることのない出来事です。
そして3月11日は、「人はいつ死ぬか分からない」という現実や、「命の尊さ・有難さ」を改めて思い起こす一日でもあります。

震災当時、先の大戦を経験した高齢の被災者のこんな言葉が記憶に残りました。

「戦争にくらべれば、どうってことない」

先を見通せない失望感の中で語られたこの言葉は、人間の逞しさを感じる一方で、「戦争は何よりも悲惨で二度と起こしてはならない」、といった言葉の重みを感じます。

戦争といえば、私の父は17歳で戦地に赴き、捕虜となって極寒のシベリアに抑留された後、奇跡的に生還した帰還兵です。
その父は、生前に戦争について語ることはなかったのですが、他界する間際に、一度だけ戦争について尋ねたことがあります。

「戦争はどうだった」かと。

布団に横たわる父はたった一言、静かにこう話しました。

「たくさんの人が死んだ」、と。

その一言が辛すぎる体験のすべてを物語ったように感じられ、それ以上、何も尋ねることはできませんでした。

母は、原爆が投下された翌日から、普段通っている小学校(島根県)に広島から多くの負傷者がトラックで搬送され、悲惨な状況の中で、小学生ながら一所懸命手当てをした様子を話してくれたことがあります。

意図的な殺戮は、その場、その時代にいる人々に、言葉に表せない苦痛を与えるだけではなく、世界的に大きな禍根を残すことを多くの人が知りながら、未だテロや戦争が絶えることはありません。
ロシアのウクライナへの軍事侵攻によって、この瞬間にも一般市民を含めて多くの死傷者が出ている状況を思うと、いたたまれない思いです。
自分にできることは、被災者に向けたささやかな寄付と平和への祈りを捧げることくらいですが、一日も早く、和平に向けた交渉プロセスが進展することを願います。

哲学者のカントが1795年に、革命後のフランスとプロイセンとの間にかわされたバーゼル平和条約(1975年)をきっかけに書いたとされる、「永遠平和のために」(岩波文庫)という本があります。
歴史上繰り返し締結されてきた事実上の休戦条約(条件付き平和条約)ではなく、「(小国・大国に拘わらず)いかなる独立国家も他国が取得できるものであってはならない」「諸国を絶えず戦争の脅威にさらす常備軍は、時とともに全廃されなければならない」など、永遠平和の確立に向けた道筋が示された本です。

世界が再び軍備拡大に向かうのではなく、これを機に、この本に書かれているような「永遠平和」を議論する機運が国際的に高まることを心から祈ります。

◇◆◇━2022年3月18日━
逆境下で輝く会社の価値を観る
━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇

皆様、こんにちは。鎌倉投信の鎌田恭幸です。
いつも鎌倉投信のメルマガを読んでいただきありがとうございます。

今年に入り、米国の金利上昇やロシアのウクライナ侵攻、それらによる経済の先行き懸念などから、日本を含めた世界の株式市場は10%以上値下がりするなど、不安定な動きが続いています。こうした時に、資産運用において大切なことは三つ、

一、一貫した投資哲学を持ち、運用姿勢をぶらさないこと。
二、相場の先行きを予想するのではなく、普段通りに価格変動リスクを管理すること。
三、価格ではなく価値に着目すること。株式投資でいえば、株価ではなく、個々の会社が取組む事業の将来価値、存在価値を観ること。

です。

「会社の将来価値」といえば、先日、「結い 2101」の投資先の一つ、日本全国でハウスウェディング等を展開する「アイ・ケイ・ケイホールディングス(本社:佐賀県 本部:福岡県 東証一部上場)」について、ある受益者から次のような趣旨のメールをいただきました。

来月4日に予定されている東京証券取引所の市場区分再編で、同社は、最上位のプライム市場を選択したにも拘らず、基準日時点で同市場の上場基準を満たせませんでした。
そこで、「上場維持基準への適合に向けた計画書」を提出することで、プライム市場に移行できる経過措置を選択したことについてでした。

****お客様からいただいたメールの内容
(他の市場区分ではなく)プライム移行経過措置を選択した理由を尋ねようとアイ・ケイ・ケイに電話しました。
電話に出た社員が担当者に取次ごうとしたので「貴方自身の考えを教えて欲しい」と質問したところ、次のような回答でした。

「我社はどの市場であっても会社のあり方に影響しません。それ よりも結婚式を通じてお客様に喜んでもらうことが大切です」、と。
****

社員にとっては当たり前の返答だったかもしれませんが、理念経営が徹底されているからこそ出る言葉ではないでしょうか。
メールを下さった受益者も、そのやりとりに満足された様子でした。

先日、同社が運営する結婚式場「ララシャス東京ガーデンベイ(東京都江東区)」を訪ねました。
スタッフと会話をする中で、「来年の春まで予約で一杯です」と、嬉しそうに話す表情がとても印象的でした。

同社は、この2年間、コロナ禍で、対面での挙式や披露宴が激減するなど、厳しい経営環境におかれました。
その中でも、お客様が安心できる結婚式のスタイルを考えたり、自社開発の食材をEコマースで販売したりするなど、地道な経営努力、新たな商品・サービスの開発を重ね、将来の成長可能性を高めています。

一方、同社の株価をみると、コロナ禍に加え、足元の株式市場全体の値動きが影響し、この2年間で約30%値下がりしています。
しかし、逆に、先に記したように、同社の成長性や企業価値は、高まっていることを私は実感します。

どの市場区分にいるか、いかなる経営環境であるかは、関係ない。
環境や状況に拘わらず、
「結婚式を通じてお客様に喜んでもらうこと」
を追い求め、ぶれずに仕事に向き合う姿勢こそが、逆境下において、会社を更に強くしていることを感じるのです。

「逆境においてこそ、会社の本当の強さが見える」のです。

投資もしかり、です。
逆境においてこそ、投資姿勢の真価、強さ、が試されるのです。

株式市場全体の値動きに眼を奪われることなく、そうした一つひとつの会社の輝き、将来価値を見落とさないようにしたいものです。
(本記事は毎週金曜日に発行しているメールマガジンの再掲です)

鎌倉投信がお届けする「心を結ぶ」メールマガジン。是非ご登録ください。
>>登録フォームはこちら