【レポート】第13回「結い 2101」受益者総会®
2022年9月25日(日)、第13回「結い 2101」受益者総会®をオンラインで開催しました。今回は「No Technology No Life」と題して、「人・共生・匠」3つの評価テーマから「匠」にフォーカス。優れた技術を持つ投資先企業の方々に登壇いただきました。
1500名を超える受益者の皆様にお申込みいただき、当日は約3時間を盛りだくさんのプログラムでお届けし、チャット欄も大盛況でした。
開催後のアンケートでは「どんな方が働いているのかを垣間見る貴重な機会でした」「世の中のためになる『いい会社』を、投資を通じて応援できることに嬉しくなりました」等の声をお寄せいただきました。
今回は第4部を中心に、当日の様子を紹介します。
1500名を超える受益者の皆様にお申込みいただき、当日は約3時間を盛りだくさんのプログラムでお届けし、チャット欄も大盛況でした。
開催後のアンケートでは「どんな方が働いているのかを垣間見る貴重な機会でした」「世の中のためになる『いい会社』を、投資を通じて応援できることに嬉しくなりました」等の声をお寄せいただきました。
今回は第4部を中心に、当日の様子を紹介します。
●当日のプログラム
1. 第1部:「結い 2101」運用報告
2. 第2部:現場社員トークセッション「技術の継承」
3. 第3部:企業展示
4. 第4部:経営者パネルディスカッション
5. 閉会:社長メッセージ
2. 第2部:現場社員トークセッション「技術の継承」
3. 第3部:企業展示
4. 第4部:経営者パネルディスカッション
5. 閉会:社長メッセージ
第1部:運用報告
最初に、資産運用部長の五十嵐より、「結い 2101」の第13期運用報告をおこないました。新規投資先については、医療用白衣のナガイレーベンとドレッシング等の製造販売を手掛けるピエトロの2社を報告しました。
また、スノーピーク社の代表辞任と今後の同社への投資方針についても簡単に説明しました。今後も「結い 2101」で継続保有していく方針です(追加の情報開示があった場合にはあらためて投資方針を検討します)。その背景を含む今期の運用結果の詳細については、ぜひアーカイブ動画(視聴方法は記事末尾へ)を視聴ください。
なぜ「匠な企業」はいい会社なのか
報告の後半では、6月に運用チームに加わった野田が、今回のテーマでもある「匠」を鎌倉投信がどのようなポイントで評価しているかを解説しました。
現在、「結い 2101」の3つの評価テーマ「人・共生・匠」のうち、「匠」のテーマで投資する企業は19社あります。
現在、「結い 2101」の3つの評価テーマ「人・共生・匠」のうち、「匠」のテーマで投資する企業は19社あります。
評価項目は大きく分けて3つ。「A:商品・サービスの優位性・独自性」「B:市場性、収益性」「C:変化への対応、革新性」です。
今回のイベントに登壇いただく投資先企業では、第一稀元素化学工業やユーシン精機はA、デジタルハーツHDやモリタHDはB、浜松ホトニクスはCの項目で高く評価しています。
今回のイベントに登壇いただく投資先企業では、第一稀元素化学工業やユーシン精機はA、デジタルハーツHDやモリタHDはB、浜松ホトニクスはCの項目で高く評価しています。
また「結い 2101」では、本業が社会課題を解決したり社会貢献に繋がったりする等の「社会性」と「事業性」のバランスも重視しています。たとえ社会性があっても、収益を確保できないビジネスは存続できないからです。
匠な技術を持つ投資先企業の中には、経済産業省が世界市場のニッチ分野における優良企業を選定する「グローバルニッチトップ企業」として表彰されている会社もあります。
社会性と事業性を兼ね備えた投資先企業の個性にも、ぜひ着目してみてください。
匠な技術を持つ投資先企業の中には、経済産業省が世界市場のニッチ分野における優良企業を選定する「グローバルニッチトップ企業」として表彰されている会社もあります。
社会性と事業性を兼ね備えた投資先企業の個性にも、ぜひ着目してみてください。
第2部:現場社員トークセッション「技術の継承」
ファンドマネージャーの長田を進行役に、投資先企業のツムラ 生産本部CMC開発研究所 漢方品質研究部 野村洸司氏と、浜松ホトニクス 中央研究所 第9研究室 鈴木真澄氏を招いてトークセッションをおこないました。
第3部:企業展示
投資先企業4社(エフピコ・デジタルハーツHD・モリタHD・リオン)の各ブースを、参加者が自由に行き来できる仕組みで実施。受益者の方々には、チャットでの質疑応答もおこないながら、投資先企業との交流を深めていただきました。
第4部:経営者パネルディスカッション
さまざまな「いい会社」の方々に話をきいた受益者総会のラストを飾るのは、2人の経営者をお招きしてのパネルディスカッションです。当社代表の鎌田から「世界でナンバーワン、オンリーワンの“匠の技術”を持つ会社」として紹介した2社。その魅力が垣間見えるハイライトを振り返ります。 |
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●スピーカー
・ユーシン精機 代表取締役 社長 小谷高代氏(写真中央)
・第一稀元素化学工業 代表取締役 社長執行役員 國部洋氏(写真右)
…モデレーター:鎌倉投信 代表取締役 社長 鎌田恭幸(写真左)
■伝統を受け継ぐ社長たちの信念
鎌田 まずは簡単に2社の紹介ですが、両社とも海外の売上比率が高いのが特徴です。日本での売上と同等かそれ以上を占めています。
鎌倉投信の投資の着眼点でいいますと、オンリーワンやグローバルニッチ。第一稀元素化学工業(以下、第一稀元素)の製品は、普段私たちの身の回りでなかなか目にする機会がありませんが、どういうところに活用されているのでしょうか?
國部 我々の扱うジルコニウムという化合物は、多様な機能を生む素材です。現在メインの用途が自動車排ガス浄化の触媒ですが、一般の消費者の方には見えないので、縁の下の力持ちのような存在です。ファインセラミックスとして、キッチンナイフの刃や義歯の材料として目にしていただく機会が増えています。
鎌田 ユーシン精機はどんな身近な部分に関わっていますか?
小谷 私たちはプラスチックの射出成形品の取り出しロボットの専業メーカーです。ほぼ全ての産業分野で使われており、iPhoneのような情報端末のコネクタ類、おもちゃに建材。また近年は、医療品ですね。大半が使い捨ての注射器だとか輸血用のバッグの根元のパーツ、最近でしたらコロナの検査キットは、この2年で随分と増産しました。
溶けたプラスチックを金型に流し入れて作るプラスチック製品は、100度を超える熱さ。それを瞬時に外して取り出すことで、危険作業からの労働者の解放。そして品質の安定という面で活躍している、工場の自動化を支えるロボットになります。
鎌田 小谷社長も國部社長も、近年トップに就任されたこと、創業家のご親族で、先代から引き継がれて社長になった点が共通していますよね。会社の伝統を受け継ぎながら、新しい経営スタイルも取り入れねばならないかと思いますが、國部社長が経営者として大切にしていることは何ですか?
國部 「常に前を向いて明るく」ですね。メーカーの肝である技術やモノ作りについては、私も正直わからない。そこは周囲に助けてもらうしかありません。明るく社員の意見を聞きながら、会社の進む方向性を示すよう心がけています。
國部 我々の扱うジルコニウムという化合物は、多様な機能を生む素材です。現在メインの用途が自動車排ガス浄化の触媒ですが、一般の消費者の方には見えないので、縁の下の力持ちのような存在です。ファインセラミックスとして、キッチンナイフの刃や義歯の材料として目にしていただく機会が増えています。
鎌田 ユーシン精機はどんな身近な部分に関わっていますか?
小谷 私たちはプラスチックの射出成形品の取り出しロボットの専業メーカーです。ほぼ全ての産業分野で使われており、iPhoneのような情報端末のコネクタ類、おもちゃに建材。また近年は、医療品ですね。大半が使い捨ての注射器だとか輸血用のバッグの根元のパーツ、最近でしたらコロナの検査キットは、この2年で随分と増産しました。
溶けたプラスチックを金型に流し入れて作るプラスチック製品は、100度を超える熱さ。それを瞬時に外して取り出すことで、危険作業からの労働者の解放。そして品質の安定という面で活躍している、工場の自動化を支えるロボットになります。
鎌田 小谷社長も國部社長も、近年トップに就任されたこと、創業家のご親族で、先代から引き継がれて社長になった点が共通していますよね。会社の伝統を受け継ぎながら、新しい経営スタイルも取り入れねばならないかと思いますが、國部社長が経営者として大切にしていることは何ですか?
國部 「常に前を向いて明るく」ですね。メーカーの肝である技術やモノ作りについては、私も正直わからない。そこは周囲に助けてもらうしかありません。明るく社員の意見を聞きながら、会社の進む方向性を示すよう心がけています。
小谷 國部社長の話を聞いて、経営者は何よりも「大局を見誤らないようにする」という点に大きな責任があると感じます。私は、そのための情報収集や一生懸命考え抜く姿勢を大切にしています。
鎌田 過去に、経営で厳しい判断を迫られることもあったのではないでしょうか?
國部 そうですね。2010年の尖閣諸島問題に始まった、中国の対日レアアース輸出規制は、経営者としての価値観に大きく影響しています。 当時はまだ社長ではなく資材の責任者でしたが、安定供給のために高値でも原料を確保する意思決定の結果、わずか2年で約60億円もの赤字を出してしまいました。この経験で、結果を反省しながらも前向きに、すばやく次の行動へ移す姿勢の重要性を学びました。
鎌田 純資産の約半分が吹き飛ぶハードな状況でしたよね。実はその後の対応が、鎌倉投信が投資した理由の一つになっています。ここまで大きな赤字になれば、雇用への影響もやむを得ませんが、第一稀元素はリストラを一切しなかった。役員報酬や管理職以上の手当をカットして厳しい局面を乗り越えられた。そういう姿勢が、きっと社員の方々の想いをより一層強くしたんじゃないかなと感じています。
鎌田 過去に、経営で厳しい判断を迫られることもあったのではないでしょうか?
國部 そうですね。2010年の尖閣諸島問題に始まった、中国の対日レアアース輸出規制は、経営者としての価値観に大きく影響しています。 当時はまだ社長ではなく資材の責任者でしたが、安定供給のために高値でも原料を確保する意思決定の結果、わずか2年で約60億円もの赤字を出してしまいました。この経験で、結果を反省しながらも前向きに、すばやく次の行動へ移す姿勢の重要性を学びました。
鎌田 純資産の約半分が吹き飛ぶハードな状況でしたよね。実はその後の対応が、鎌倉投信が投資した理由の一つになっています。ここまで大きな赤字になれば、雇用への影響もやむを得ませんが、第一稀元素はリストラを一切しなかった。役員報酬や管理職以上の手当をカットして厳しい局面を乗り越えられた。そういう姿勢が、きっと社員の方々の想いをより一層強くしたんじゃないかなと感じています。
■匠の技術は「手段」である
鎌田 やや抽象的な質問ですが、小谷社長にとって技術とは何でしょうか?
小谷 私にとっての技術とは「お客様が喜ばれるもの、ひいては社会によいものを提供するための手段」です。
國部 非常に共感します。我々の経営理念は「世に価値あるものを供給し続けるには」から始まるのですが、まさにそのために重要な部分を担うツールが技術ではないかなと。
鎌田 なるほど。両社ともその領域で世界一の企業ですが、「グローバルトップ企業になるためのポイント」はどこにあるとお考えですか?
小谷 「技術」と「信頼」の二点です。弊社の社名である「ユーシン」は「信用が有る=有信」に由来します。その源泉は、私たちのロボットが10年、15年と稼働し続け、お客様の生産を支えるための「総合力」です。各工場に最適なラインナップの提案からロボットの高い品質、アフターメンテナンスまで、一連の総合力でお客様に信頼していただく。これを世界中でやろうとしているわけです。
小谷 私にとっての技術とは「お客様が喜ばれるもの、ひいては社会によいものを提供するための手段」です。
國部 非常に共感します。我々の経営理念は「世に価値あるものを供給し続けるには」から始まるのですが、まさにそのために重要な部分を担うツールが技術ではないかなと。
鎌田 なるほど。両社ともその領域で世界一の企業ですが、「グローバルトップ企業になるためのポイント」はどこにあるとお考えですか?
小谷 「技術」と「信頼」の二点です。弊社の社名である「ユーシン」は「信用が有る=有信」に由来します。その源泉は、私たちのロボットが10年、15年と稼働し続け、お客様の生産を支えるための「総合力」です。各工場に最適なラインナップの提案からロボットの高い品質、アフターメンテナンスまで、一連の総合力でお客様に信頼していただく。これを世界中でやろうとしているわけです。
鎌田 総合力とは、まさにそのとおりだと思います。ユーシン精機の工場にお邪魔すると、「品質は社運を決める」という理念がビシッと掲げられていますよね。非常に高性能な製品を手掛ける一方で、それだけでは世界一にはなれないというお話は、先代社長の小谷眞由美会長もずっと仰っていました。「売って終わりではなく、その後にいかに信用・信頼を築けるかが本当の意味での社運を決める」と。まさにそこがユーシン精機の生命線なのだと改めて感じました。國部社長はいかがですか?
國部 「社員がお客様を向いていいものを作る」でしょうか。社内で「らくらく活動」という職場改善活動を実施しているように、社員一人ひとりがいい雰囲気の職場で、楽しみながらいいものを全員で作り続けてきた。その積み重ねが世界一に繋がっていると感じます。
鎌田 いわば社風ですね。第一稀元素の経営理念で「価値ある職場」を掲げているように、お客様によいものを届けようと思ったら、それを活かす企業風土をいかに全員で大事にできるかが、ものづくりの原点なのかもしれませんね。
國部 「社員がお客様を向いていいものを作る」でしょうか。社内で「らくらく活動」という職場改善活動を実施しているように、社員一人ひとりがいい雰囲気の職場で、楽しみながらいいものを全員で作り続けてきた。その積み重ねが世界一に繋がっていると感じます。
鎌田 いわば社風ですね。第一稀元素の経営理念で「価値ある職場」を掲げているように、お客様によいものを届けようと思ったら、それを活かす企業風土をいかに全員で大事にできるかが、ものづくりの原点なのかもしれませんね。
閉会挨拶:社長メッセージ
今期の受益者総会も、当社代表の鎌田から受益者の皆様へのメッセージで無事に締めくくりました。 |
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鎌田 よくお客様からこういう質問を受けます。「これから少子化に向かう日本の株式市場。日本企業に投資しても、成長が期待できないのでは?」と。
たしかに市場全体としてはその傾向です。ただ、個々の企業に目を向けると、必ずしもそうではないと、皆様にも感じていただけたのではないかと思います。グローバルで活躍する日本企業も出てきていますし、その発展・成長の応援にはすごく意味があります。
投資や消費は、ある種の「投票」だと思います。これからどんな社会を作りたいかを表現できる。お金に意思を込めることは、裏を返せば、「意思あるお金が社会をつくっていく」ともいえるかもしれません。そして、その力は受益者のお一人おひとりが持っています。
「結い 2101」という投資信託に皆様の意思が加わることで、これからの日本が豊かになると思います。 ぜひ鎌倉投信の輪に加わっていただき、一緒に応援してください。
本日は、参加いただき、ありがとうございました。
●受益者限定
オンラインサービス「My鎌倉倶楽部」上で、アーカイブ動画を視聴いただけます。ログイン後、限定動画のメニューからお楽しみください。
(構成:中道薫)
「結い 2101」月次運用状況(基準日:2023年5月末)
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「結い 2101」運用報告 資産形成(基準日:2023年5月末)
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