「挨拶は自分のために」「ど真剣に生きる」

(本記事は毎週金曜日に発行しているメールマガジンの再掲です)

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◇◆◇━2023年4月14日━
挨拶は自分のために
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皆さん、こんにちは。鎌倉投信の鎌田恭幸です。
いつも鎌倉投信のメールマガジンを読んでいただきありがとうございます。

桜の季節も終わり、鎌倉投信の庭先では、白く可憐な藤の花が見ごろを迎えようとしています。
しばらくすると、躑躅(つつじ)や紫陽花(あじさい)が庭を彩り、ここに働く役職員の心を和ませてくれます。
私は、この季節がとても好きです。

桜といえば、名所、鎌倉 鶴岡八幡宮の参道(檀葛)の桜は、今年は、思いのほか長く咲いていた印象がありました。
聞くところによると、10年近く前に全ての木を植え替えた際、敢えて開花時期の異なる数種の桜をちりばめたのだとか。
遠くをはかりながら、人に感動を与える職人のあたたかな眼差しと、匠な技を感じます。

話は変わりますが、鎌倉投信では、コロナ禍で入社した社員が増えていることもあって、先日、社員の有志が、社内コミュニケーションをよくする取組みなどの提案をしてくれました。
その第一が、コミュニケーションの基本「あいさつ」でした。
「顔を相手に向けて、相手に届く声で挨拶をする。」ことを心がけ、人への敬意や感謝、心配りを感じさせる雰囲気をつくることが目的です。

考えてみれば、私たちは、朝起きて、家族と顔を合わせたら挨拶をし、仕事で同僚やお客様と会う度に挨拶をしますので、人生の中で、最も発する頻度の多い言葉が、「おはよう」「こんにちは」「ありがとう」、といった挨拶ではないでしょうか。
このように、人との出会い、日常で人と接する数だけ挨拶はある、と考えたら、僅か4~5文字の短い一言をいかに意味のあるものにするかどうかは、自分の人生にとって、思いのほか大切なことなのかもしれません。

そもそも、「挨拶」という言葉自体、どういう意味を含むのでしょうか。
その語源をひも解くと、禅問答を交わしながら互いの悟りの深浅を探る「一挨一拶」に由来し、「挨(あい)」には「押す」「開く」「打つ」、「拶(さつ)」には「迫る」「近づく」「進む」といった積極的に自分を前に出すといった意味があるようです。
私たちが抱いている印象とは、少し違うかもしれませんね。

挨拶とは、一般に、人に対する礼儀作法として教わりますので、相手が礼儀に反する態度をとると、つい頭にくるものです。
しかし、こうした本来の意味合いを考えると、挨拶とは、人に対してではなく、自分自身の姿勢、自分自身のふるまいの在り方、つまり、自分に向けられたものといえるでしょう。
相手が無礼な態度で接してこようとも、自分の姿勢は動じることがないようにしたいものです。

そうした語源とは別に、「挨拶は、自分自身に向けたものである」、とする解釈は、「自己」と「他者」とを同一に観る、自他同一的な思想からも窺えるかもしれません。
私たちは、当たり前のように、「自分と他人とは違う存在」として、「自己」と「他者」を区別して考えます。
しかし、例えば、哲学者ヘーゲルが「他者の中に自己を見出す」としたように、人は、単体の「個」として存在するのではなく、「他者との関係性の中に存在する」、とする観方があり、私はそれに比較的近い考え方を持っています。

他者との関係性が自己である、と捉えた時に、他者との関係性を築く挨拶はとても大切な自分に向けた言葉へと変わるでしょう。
特に会社などで共に仕事をする同僚と交わす挨拶は、様々な関係性を通じて自分自身に必ず影響を与えますので…。

「一言よく人を生かす」、といいます。

日々、出会う人と交わす心のこもった一言の挨拶は、実は、自分の人生を豊かにするためものなのかもしれません。
私も、心のこもった挨拶を、努めて習慣化したいと思います。


◇◆◇━2023年4月21日━
ど真剣に生きる
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皆さん、こんにちは。鎌倉投信の鎌田恭幸です。
いつも鎌倉投信のメールマガジンを読んでいただきありがとうございます。

社員が会社設立5周年の記念に贈ってくれたハナミズキが見頃を迎えています。
植樹した10年前に細々としていた幹は、今ではだいぶ太くなりました。
数個しか着けなかった花も、今では木一面を覆うようになり、まるで徐々にふえてきた鎌倉投信の社員一人ひとりの頑張りを応援してくれているかのようです。

一人ひとりの頑張りといえば、先のワールドベースボールクラッシックの侍ジャパンの活躍が思い起こされます。
優勝から早一月が経ちましたが、未だ興奮冷めやらない方も少なくないのではないでしょうか。
そして、余韻に浸る間もなくそれぞれの所属チームに戻り、全力でプレーしている選手たちの姿を観ると、身体と精神を鍛え、日々全力で仕事に向き合う凄まじいプロ意識を感じます。

今回の優勝では、選手の活躍もさることながら選手の能力を引き出す栗山英樹監督の采配にも注目が集まりました。
その栗山監督が、肝に銘じているとする言葉を、以前、月刊誌「致知」(致知出版社)の対談の中で読んだことがあります。
その言葉とは、

「ど真剣に生きる」

です。

昨年お亡くなりになった、京セラの創業者 稲盛和夫氏 が、よく口にしていたとされる言葉です。
同氏がJALの会長に就任した年、同氏が塾長をつとめた盛和塾でも、塾生を前にして「私は今も、ど真剣に日々を生きている」と語られたそうです。
御年78歳の時のことです。

このような生き様を観ると、何歳になろうとも、どのような境遇にあろうとも、一所懸命に生きることがよい縁をつくり、道を拓き、自分や会社を発展・成長に導く根本なのだ、と感じます。

話は変わり、先日、前職の資産運用会社で、経営の在り方、資産運用とは何か、を徹底的に指導くださった恩師、岡本和久さん(お金の教育を18年にわたっておこなっているI-O Wealth Advisors株式会社 代表取締役)の講話を久しぶりに聴きました。

その話を聴きながら、改めて資産運用会社にとって最も重要なことは何か、を思い起こしました。
それは、

(1)高いプロ意識を持つこと。それぞれの業務において、プロとしての能力を磨き続けること。
(2)もっぱら受益者(顧客)の利益を最優先に考えて経営判断をおこない、忠実に業務を遂行すること。
(3)自ら謳う経営理念と投資哲学を実践し、探求し続けること。

でした。

前職の資産運用会社もまた、こうしたことに「ど真剣」だったと思います。
そこでの経験は貴重であり、今でも私の中に生き続けています。
そして、鎌倉投信の中にも、もっともっと深く根付かせ、わが社のDNAにしたい基本精神です。

ちなみに当時の岡本さんは、今の私と近い年齢でした。
しかし、日本法人設立からわずか15年で、運用資産規模は20兆円を超えるまでに成長させた経営手腕と、業界、社会に与えたインパクトの大きさは計り知れず、同じ資産運用会社の社長といっても、私は足元にもおよびません。

それだけに、資産運用という仕事、資産運用会社の経営に向き合う姿勢は、ど真剣であり、決して悔いを残すことのないよう努力し続けたいと思います。
(本記事は毎週金曜日に発行しているメールマガジンの再掲です)

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