久し振りの墓参り

私事ですが、昨日倉敷でセミナーがあったついでに岡山ー出雲間を結ぶ伯備線に乗って実家がある島根県に帰省しました。

実家は世界遺産 石見銀山 がある大田市という田舎町にあります。

昨晩からの吹雪のせいで家についたのは夜の11時。
それでも両親と兄が夕食を用意して待っていてくれました。
とてもありがたい気持ちで、刺身やおでんをご馳走になりました。
美味しかったです。

実家は小さな食料品屋と農業を営んでいて、経済的には恵まれた環境ではありませんでした。
それでも無欲で辛抱強く、心根の優しい母のおかげで不自由を感じることなく育ちました。

父は、頑固で短気、教養がなく、いつも農作業姿で不恰好な身なりをしていたので、高校までの自分にとっては決して尊敬できる存在では有りませんでした。

ある時、その父が農業の傍でつくった森林を案内してくれることがありました。
杉、檜がきれいに枝打ちされ、天に向かって真っ直ぐにそびえていました。
遠くから眺めると明らかに父の育てた山は周辺の山とは違い、際立っていました。
父は大学に入ったばかりの私に何気なくこう言いました。
「お前が家を立てる頃には、立派な一本柱が出来るぞ」

人が見ていないところでコツコツ何十年もかけて育てた木をみた時、私は初めて父を尊敬しました。

その父も戦争でシベリアに捕虜で抑留された時に患った病が再発して今は寝たきり。
17歳で戦場に赴き、終戦後何年もたってから帰還した父は、今まで戦争のことを口にしたことはありません。

何年か前に父の死を覚悟して仏壇を掃除していたら、父が加古川訓練場から満州に出陣する際に、家族、親戚が持たせた敵弾丸除けのお守りが出てきました。

そうした人の思いが通じたのか、たまたま生かされた父、その命を受け継いだ自分。
今偶然の積み重ねで生かされている自分に感謝しました。

今日は、雪が積もる墓前で手を合わせ、今ある自分にただ感謝しました。
これからまた一日を一生だと思って命を受け継いで行きたいと思います。