嬉しいお客様

人とのご縁は本当に不思議なものです。

先日、「息子がお世話になりました」とセミナーにご参加下さり、直ぐにお客様になって頂いたSさんとのご縁はこれからも決して忘れ難いものになると思います。

元をたどればSさんの息子さんとのご縁。その時のご縁がなければ、Sさんとお目にかかることも、ましてや「結い2101」の受益者になって頂くこともなかったはずです。きっかけは、前職で最後の奉公だと思って、自分の力を出し尽くして取り組んだM&Aです。Sさんの息子さんは、運用する資産を管理する某信託銀行の若い担当者でした。

詳しくは述べませんが、そのM&Aは関係当事者が多岐にわたり、時間的、法的な制約も厳しく、実務的な作業も難航が予想されたとても難易度の高い案件でした。このM&Aの中で、何千億円、何兆円もの運用資産をお預かりしていた世界有数なお客様の資産の移行を実質的にSさんの息子さんにそのかなりの部分を託したのでした。そして、彼はその期待を遥かに上回る結果を残して下さったのです。

私は、長い付き合いではないその若い一人の担当者を、その会社のどんな偉い肩書を持った方よりも尊敬しました。この方は、持っている専門知識、顧客からの信頼、取引先に対する主義主張のバランス、組織内の調整能力において優れ、おそらく将来の日本の資産管理の分野を間違いなく背負って立つ逸材だと思っています。

人とのご縁、そしてそのご縁の拡がりは、共に過ごす時間の長さ、距離の近さに必ずしも比例しません。比例するものは、(たとえ短期間であっても)真に共有し得る目的とそれに向かう真剣さの度合いです。大変な時、苦境、困難な時であればあるほど。
創業してなおのことことその思いを強くしています。