あらためていま母を想う

最近このような本が出版されました。
私が大変お世話になっている「親を考える会」代表 近藤昌平さんが編纂されている著書で、今回でシリーズ5冊目になります。お話を頂いたとき、私のような者が・・・と迷いましたが、腰が曲がって小さくなった母親へのお礼の気持ちを込めて、2ページほど認めました。

よく「鎌倉投信のような投信会社を創ろうと思った、その原点はどこにあったのですか?」と聞かれることがあります。その時は、前職を辞めた経緯や金融に対する問題意識、創業者との出逢いなどのお話をします。しかし、私の精神の源流を辿っていくと、島根県の何もない(しかし、豊かな自然に恵まれた)田舎で、爪の先に燈を灯すような商をしながらがんばる母の後姿を見て育ったことだと思っています。

「投資とは、お金を価値あるものに変えることです」
私は最近、セミナーなどでこんなことをいいます。こんなことを口にするのも、小さいころから、色々な人がお店に出入りし、毎日お金やかよい帳と呼ばれた信用帳簿に触れながら育ったからかもしれません。

幼少のころの自分にとって、氏神様を祀る神社で催される夏祭り、そこに並ぶ夜市は、年に一度の楽しみでした。そこで母親からもらった数百円のお小遣いを握りしめて、どれにしようかと迷いに迷って買った綿菓子や大判焼きは、その時の自分にとってとても価値あるものでした(笑)。 お金は、価値あるものに変えたときに、命を宿し、生き金になる…今にして思えば、このことを小さい時に母親に教えられたように思います。

いつでしたか、大切な300円を握りしめてお祭りに行く途中、石に躓いて転び、お金をなくしたことがありました。この世が終わったかのように落ち込みました。その時、母は怒ることなく「今度はあわてないで行きなさい」といって、また300円を持たせてくれました。申し訳ない気持ちと一緒にありがたいという想いがこみ上げたことを覚えています。

今、親との関係とは形が違いますが、人様のお金をお預かりする商売をしています。
お預かりする大切なお金を経済や社会の中で生かし、喜んで頂けることが親への恩返しだと思っています。道のりは平坦ではありませんが、頑張りたいと思います。