メルマガ 今週号 オッカムの剃刀の続き

今週のメルマガのコラムで「オッカムの剃刀」について書いた。
メルマガでは、一部しかかけなかったので、(一部メルマガと重複する部分があるが)ブログでフォローさせて頂こうと思う。

「オッカムの剃刀」という言葉は、10年以上も前から僕が大変お世話になっているある年金基金の管理責任者の方から教わったものだ。
そして、僕の投資理念の根幹をなしている。
その方は、かつては私の前職のお客様でありながら、私に多くの学びを与えて下さった方で、今の自分があるのはその方のお陰なのだ。

オッカムの剃刀とは、中世のイギリスオッカム村に生まれた哲学者ウィリアムが提唱したとされる考え方で
「あることを説明するのに、必要以上に前提をおいてはならない」
「一つの事柄を説明する場合に、仮に複数の考え方があれば、シンプルなものの方が真実に近い」
というものだ。要は「物事の本質は、シンプルである」ということだ。

これは、投資の世界に100%通ずる。
たとえば、
「自分で理解できないものには投資をしてはならない」
「リスクのないところにリターンは存在しない」
「投資家にとって最大のハードルはコストである」
といった、シンプルだが普遍的な原理原則に忠実であることぬきに成功はあり得ないと断言してもいい。

先達てこの方に送って頂いた資料の中の一節で、(年金基金の運用管理に係ることだが)全ての投資家にとても役立つ言葉と経験知が、名著「敗者のゲーム」(チャールズ・エリス)の記述に照らして紹介されていた。
すべてが、実践の上に成り立つ生きたメッセージだ。

①仕組債を買う(=これは致命傷だ。=fatally wounded)
②去年成績が良かった手法を好んで取り入れる(後追い)
③成績の良かったファンドを残し、悪かったファンドを解約する(We should do the other way round、but・・・)
④頻繁に運用機関を替える(もぐら叩き)
⑤周りのプレッシャーに負ける(盾になれない、信念の欠如、覚悟のなさ、責任からの逃避)
⑥コンセンサスに合わせる(絶対上手く行かないコンセンサス運用)
⑦先進と言われている年金をただ真似る(仏造って・・・)
⑧複雑な方に物事を考える(見えないフィーが一気に増えるし、何処にリスクがあるか分からなくなる)
⑨危機時に恐怖心からリスク資産を売る(歴史から学ぼう!)
⑩危機時に方針を変更する(何のために構築した運用基本方針か?)
⑪相場観を入れる(相場勘?=good luck!)
⑫ヘッジファンドに頼る(拝金主義の彼らに何故頼ろうとするのだろう?)
⑬下振れリスクを避けるあまりベータリスクを取らない
⑭喉から手が出る程に過去実績の良いファンドをついつい入れる(ヘッジファンドのプレゼン資料のリターンはどれも素晴らしい)
⑮イベントリスクを積極的に取りに行く(高いファットテール・リスク)
⑯過去に蓄積した知識・情報のみで間に合わせようとして新しい上積みをしない(天下りの最大の問題点)
⑰年金村の常識・慣習に疑いを持たないで前例を踏襲する。

是非、皆さんの運用スタンスと照らし合わせてみてほしい。
一つでもヒントになればと思う。