【報告】「いい会社の経営者講演」ソウルドアウト(株)

2019年6月1日 北海道立道民活動センター(札幌市)、6月2日 PARM-CITY ANNEX(仙台市)にて、ソウルドアウト株式会社 代表取締役会長CGO(※)荻原 猛(おぎわら たけし)様をお招きし、同社の経営理念や経営戦略について講演いただきました。「中小・ベンチャー企業を応援したい」という情熱と真摯さが感じられるご講演でした。
(※ Chief Growth Officer:グループ全体の経営理念に基づく成長戦略を推進する役割を担い、新規事業の創出とグループ連携を強化する、最高成長責任者)

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<「結い 2101」投資先の ”いい会社” 紹介>

ソウルドアウト株式会社(https://www.sold-out.co.jp/)
設立:2009年12月 
本社:東京都千代田区
紹介:
インターネットを活用して事業を拡大させたい日本全国の中小・ベンチャー企業に対し、ネットビジネス全般を支援する事業を展開。
社是は「先義後利」。鎌倉投信は同社を「共生」というテーマで評価しました。
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●ソウルドアウトの概要紹介

同社は、中小企業などが、潜在能力のある優れた商品・サービスをどんどん売っていくことをマーケティングとデジタルの領域で支援する会社です。
「日本の潜在能力は高いが発揮できていない。全国各地の素敵な会社がどんどん花咲くような国にしていく」
そういった想いが同社のミッションステートメントに込められています。

同社のミッションステートメント(出典:同社ホームページ)

同社の顧客は地方全国の中小・ベンチャー企業です。日本には良質な商品・サービスがたくさんある一方で、中小企業の経営者の方々が苦手とすることが次の2つだと荻原会長は語ります。
①自己表現
②IT(情報技術 Information Technology)
今の時代、自社製品がいかによいもので、それを消費者に納得していただくことが重要です。一方で、特に60~70代の方が受けた教育は「ベラベラ喋るな」という背景があったことから、「自己表現」が不得手な傾向が強いそうです。同社はそういった悩みを持つ顧客の売上を拡大すべく、顧客と二人三脚でネットビジネスを支援しています。

一般的な広告代理店の主な顧客層は、大企業です。大企業は中小企業と比べて広告費により多くの資金を投入できるからです。例えば、某大手企業は1年間に1,000億円もの資金を広告費に充てています。一日に1,500万円かかる全国紙の一面に広告を載せることは、中小企業にとっては厳しいでしょう。しかし、インターネットを使えば100円から広告が出せます。つまり、中小企業は大企業以上にインターネットを活用すべきなのです。

同社の規模は、社員数約300名、営業拠点は全国各地に21拠点です(2019/4/1時点)。少しずつ営業拠点を増やしていて、靴底をすり減らす(顧客のところへ出向く)ことを重視しています。メールや電話だけのコミュニケーションでは顧客との付き合いがうまくいかないことが経験上わかっているためです。足を運んで、顔を合わせて、社長に納得してもらった上でビジネスを進めてもらうことを大切にして営業活動をおこない、中小企業に特化してインターネットビジネスを成功させていくのが同社の特徴です。

●荻原会長の自己紹介

同社創立に繋がる、ご自身の体験にも講演の中で触れていただきました。同氏が10歳のときに、お父様が経営する会社が倒産しましたが、そのときのことを「地獄に落ちたようだ」と表現されていました。転校が続き、借金に追われる、周囲の見る目も変わるなどの、憂き目にあったそうです。そういった厳しい環境は10歳の荻原会長に「いつか自分が社長になり、父親の仇をとる」という野心を芽生えさせました。

大学卒業後は不動産業界の内定を辞退して起業されましたが、失敗に終わったそうです。「起業がゴールという認識があったのかもしれない」と当時のことを振り返ります。この失敗から
「事業を通じて誰かの役に立ちたい」という想いがなければ事業は成り立たない
ということを痛感されたそうです。

また、「中小企業の最大の課題は売上向上」だということも体感されたそうです。例えば、水を売るとしても大手飲料メーカーの水か、無名の会社が製造した水か、どちらが選ばれるかというと、ほとんどの方が前者を選びます。どんなによい商品・サービスであっても後者には信用がないため、なかなか売れません。物があふれている世の中であれば、なおさらその傾向は強まります。ただし、「ネット通販であれば意外と売ることができる」ことも感覚的にわかってきたそうです。自分で調べて競合商品と比べて自己責任において買う、といった自立した消費者がネット上には多いため、ネット通販であればまだまだ売上向上の余地があると考えました。

そのような気づきを背景に、インターネットマーケティングを手掛けていたオプト社に、13番目の社員として入社しました。オプト社では、最先端のインターネットマーケティングに触れ、会社が大きくなるとは何か、上場するとは何かを約10年間学び続け、広告部門の執行役員として大手広告会社との資本提携も経験しました。一連の経験の中で、
広告会社でデジタルに強い自分こそが、中小企業の経営者の悩みを解決できるのではないか?
中小企業の支援をする事こそ、私の使命なのではないか?
という想いを抱くようになりました。大企業ではなく、よいものを持っているのにネットの活用方法に悩みを持つ中小企業を助けたい。そう考え、立ち上げたのがソウルドアウトでした。

●市場環境と経営戦略

日本は、企業数約382万社の99.7%、全従業員の69.7%を中小企業が占めています。これは、中小企業が雇用と経済を底支えしているといえるでしょう。また、中小企業はGDP全体の約50%を占めていますが、中国やドイツでは60%超であることを踏まえると、日本の中小企業の上昇余地はあるように考えられます。
一方で、経営者の高齢化や後継者不足などの問題を抱えており、中小企業は15年間に100万社ほど減少しています。高齢化が進むと、ITや広告への投資意欲が減退する傾向があることから、売上の鈍化、人材の確保が困難、生産性向上も厳しいという悪循環に陥ってしまうことが懸念されます。
そのような課題意識をもとにソウルドアウトさんは3つの領域で顧客を支援しています(下図)。同社の顧客のほとんどが売上を伸ばすことに成功し、人財を確保できたという実績を、積みかさねています。

同社のビジネス領域(出典:当日の講演資料)

また、広告の活用状況は地域差があります。広告費に占めるネット広告の割合は、東京では18%ですが、東京以外の地方だと6%程度しか利用されていないのが現状です。近年、ネット比率は上昇傾向にありますが、東京と同じくらいの水準まで地方のネット広告が伸びたら、約3,000億の市場が新たに創出され、計5,000億円規模の市場となるでしょう。さらにいうと、必要とされている領域の割に競合が少ないことから、魅力的な市場だと考えられます。これらを踏まえて、同社では3つの中期的な戦略を採用しています。
①地方広告費のネット化
②大量生産体制(供給力と営業基盤の改革)の確立
③中堅・中小企業向けの生産性向上ソリューション

同社はこのような戦略に基づき、顧客の成長を支援することで、
中小・ベンチャー企業がネットを自在に駆使でき、生産性が2倍になる社会
取引先を通じた10万人の雇用創出
の実現を目指しています。

●経営方針

そもそも、なぜ企業は理念を掲げるのでしょうか。荻原会長は、『求心力が必要だから』と考えています。求心力がないと社員の自主性が育たず、入っては辞め入っては辞め、という悪循環が続き効率性がともないません。同じ志を持った人財が終結し、同じベクトルに向かうことが非常に重要だからです。同社は、「中小・ベンチャー企業が咲き誇る国へ」というミッション(※)を掲げ、理念の浸透に時間を惜しまず取組まれています。

(※ ビジョンではなく、ミッションという言葉が荻原会長には刺さるそうです。ビジョンだと、主語が一人称になりがちです。一方でミッションだと、社会課題解決に向けて何をやりたいのか、といったニュアンスが強く感じられるとのことでした。ビル・ゲイツ(マイクロソフト元会長)がなぜWindowsを創り成功を収められたかというと、「世界中のオフィス・家庭にパソコンを置くため」というミッションを掲げていたからだ、という例示をされていました)

一方で、理念ばかりを磨いても競争に勝てないと生き残れません。荻原会長は理念だけではなく、競争に勝ち残るための戦略的思考も重要視されています。先述のように、ターゲットとなる市場の規模・成長性の見通しを立てるのはもちろんのこと、コア事業領域で小さな改善を大量に積み上げ、同業者や新規参入者の手の届かないところに到達することの利点を強調されていました。

戦略を実行していくためには組織と文化を形成することが欠かせません。特に同社のようなサービス業では人が中心なので社員満足度を高めることが重要な経営課題です。社員に対して、「社長は俺だ!」という態度をとるのではなく、株主・仕入先・顧客と同様に、同社の方針を丁寧に説明し、従業員の納得感や満足度を高めることができれば、顧客への提案の質が上がり、利益を生み出し、結果として株主に報いることにも繋がるとのことです。

最後に、経営者としての心掛をいくつか教えていただきました。
応援団の数が成功の基
誠実に約束を守る、できなかったら謝る、など当たり前で基本的なことを大切にし、自分を応援してくれる人を増やしていく
軋轢嫌い 逃げるな、矢面に立て!
経営者には苦しいこと・悲しいこと・辛いことが日々起きるが、絶対にそこから逃げずに、自身がすることに自信をもって進んでいく
インプット量と成果は相関する
変化が激しく、勉強しないと勝てない業界なので「学び続ける文化」を定着させる必要があり、週に一冊の読書を習慣化する

荻原会長自身、この高テンションを続けると疲れてしまうそうで、年に3回は9連休を取得しメリハリをつけているそうです。

●トークセッション/質疑応答

講演後に当社社長の鎌田とのトークセッションをおこないました。

(鎌田) 「絶対逃げない」経営姿勢・・・私もドキッとしました(笑)。今まで逃げたくなるような辛い経験はありましたか。
(荻原会長) 地方に初めて4拠点を設立し、エース級の社員を送ったときのことです。社員が孤独感を高めてしまい、同時に退職の申出を受けてしまいました。社員に対して少し甘えていた部分を反省し、1名を除き説得し引き留めることができました。地方拠点のマネジメントを考え直すきっかけとなりました。

(鎌田) 会長自身、社内研修をすごくされています。
(荻原会長) そこに時間を割くのが好きです(笑)。お客様から「どういう会社か」と問われた時に、社員が説明できないのは寂しい。会社がしていることについては毎週月曜の全社会議で社員へ丁寧に説明します。また3ヵ月に一度地方拠点を回って色々な説明をしています。そうすることで社員のロイヤリティも提案力も上がる、という感覚があります。

(鎌田)社員の方も来られているので、話を聴いてみたいと思います。まずは自己紹介をお願いします。
(奥村氏) 札幌営業所の奥村です。2014年の新卒です。岡山出身で地方を盛り上げたいという気持ちがあった矢先に、採用エージェントさんからソウルドアウトを強く勧められました。入社したら、そのエージェントさんもソウルドアウトの社員になっていました(笑)。
(詳しくはこちらをご参照ください:https://www.sold-out.co.jp/soulofsoldout/other/20190826
(平塚氏) 仙台営業所の平塚です。宮城が地元なので、宮城の企業を支援するのであれば自分にやらせてほしい、と荻原会長に伝えていたところ、2017年6月の営業所開設と同時に異動しました。宮城に帰って来て思ったことは、消費者は変わってきているものの、企業がどう対応していいかわかっていない、ということです。東京の広告代理店とお取引しようという流れになりますが、成果が出ず「代理店を使ったけど、騙された」とおっしゃる会社さんが多いと感じています。そういった会社へ足を運び、対面で悩みを伺い、丁寧な説明をすることで、信頼関係が築けると実感しています。
(詳しくはこちらをご参照ください:https://www.sold-out.co.jp/soulofsoldout/other/20190826

(鎌田)社員さんから見ると荻原会長はどういう方でしょうか。「俺は社長だぞ」というタイプですか。
(奥村氏)いやいや(笑)。本当に謙虚な方です。地方拠点だと3ヶ月に一度訪問していただき、会社の方向性や経営陣の考えを丁寧に伝えてくれます。地方の中小・ベンチャー企業を支援したいという軸がぶれないので、ついていきたいリーダーだと感じています。
(平塚氏)会社の想いの根源であり、荻原さんが創った世界観に共感した人間が入社してきています。地方の中小企業を応援したいといって入ってくる方、特に親が中小企業の経営者である方が多いです。

続いて会場からもご質問をいただきました。

(会場)人財採用のポイントはどういうところなのでしょうか。
(荻原会長)志望動機を重視しています。なぜソウルドアウトに入社したいかをわかりやすく説明できるかどうかが判断基準になります。例えば、「地方を盛り上げて日本全国に貢献します」はホームページのコピーなので落とします。採用する人は理由が鮮明で、「私は岡山の田舎町の社長の息子で、親の苦労を見てきたため、そういった人に貢献していきたい」という、それぞれが持っているオリジナルのストーリーとソウルドアウトの理念をリンクさせて説明できる人財です。本気かどうか、本音かどうかを、時間をかけて確認しますので、離職率が同業他社の半分以下。本当に人が辞めません。

(会場)東京と地方という構図があり地方を盛り上げたいとのことでしたが、北海道だと札幌とそれ以外という構図もあります。その点についてどのようにお考えでしょうか。
(荻原会長)今は札幌しかできていないので、次の打ち手として考えています。当社社員数(約300人)では対応できないほど、お客様から引き合いがあるため、お断りしなくてはいけないのが現況です。地方の志あるサービスを広げるべく拡大を急いでいます。

(会場)成功する会社に特徴はありますか。
(荻原会長)自社の商売に誇りを持っている経営者がいるかどうかという点です。また、インターネットを利用して売上を伸ばしていけるかどうか、そしてお客様がネットの専任担当者を配置できるかどうか、といったところを注目しています。

(会場)本がお好きだということですが、どのような観点から本を選ばれていますか。
(荻原会長)自分の経営力を高めるという観点から、本を読む時間を作っています。その時の気分で読む本も変わりますが、ひとつは戦略・マーケティングの本です。一方で経営者が書かれた本、例えばユニクロ柳井さんの「一勝九敗」を読むと、勇気づけられます。相当苦しいはずなのに全然逃げない。海外でいえばジェフ・ベゾスが好きで、顧客起点の強さに学びがあります。その他、司馬遼太郎や城山三郎、池井戸潤の本を好んで読んでいます。ちなみに今日のかばんの中にはレオスキャピタルワークスの藤野さんの本が入っています(笑)。

(会場)非常に風通しのよい会社だとお見受けしました。起点は社員満足度というお話でしたが、どういう取組をされていますか。
(荻原会長)まずは情報開示です。いきなり上司から 「これやれ」 と言われたら反発したくなりますが、方向性を伝えれば部下は納得しやすいはずです。情報開示は会社と社員の信頼感をつくる最も大事なコミュニケーションではないかと思っています。インサイダー情報以外はほぼ全て開示しているくらい透明性を重要視しています。
ふたつめは、社員とそのご家族を大切にするということです。例えば社員の奥様へ在宅の仕事を提供する、お子様が生まれたら中学校卒業するまで子供手当を払う、といった制度があります。身近な人を幸せにできないとお客様も幸せにできないので、できる限り家族を厚遇する制度を設け密着度合いを高めています。

(会場) テクノロジーではなく、人ではないとできないことは何でしょうか。
(荻原会長)人ではないとできないことは、コミュニケーションとクリエイティブな部分です。前者は例えば営業行為、お客様の課題抽出です。後者は「お酒を売りたい、ターゲットは東京在住の20代」としたとき、どうキャッチコピーを創るか、画像や動画をどうするか、などといった広告作成の部分です。

(会場)魅力的な会社同士にも繋がりが生まれ、世界にも好影響を与えると感じましたが、ビジョンがあれば教えてください。
(荻原会長)日本発世界をやりたいです。中国でもアメリカでも日本製品が売れます。現地でビジネスをやるとお金がかかるのでネットで出店するだけでよい。色々な会社と提携して、外需を稼げる中小企業を育てていきたいと思っています。

(鎌田)あっという間に予定の時間を過ぎてしまいました。皆様のご支援の延長線上で鎌倉投信はソウルドアウトさんを応援することができています。日本全国の中小・ベンチャー企業をもっと元気にしてもらうことを期待しています。これからもよろしくお願いします。

●まとめ

今回の「いい会社の経営者講演」では、ソウルドアウトさんが、デジタルマーケティングを通じて地方の中小企業の発展に貢献する「いい会社」であることが再確認できました。荻原会長からはもちろんのこと、社員さんからも「地方中小企業を発展させていく」という強い想いが感じられました。荻原会長、平塚さん、奥村さん、受益者の皆様、休日の中ご協力・ご参加いただき本当にありがとうございました!

(資産運用部 橋本研一)


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