新型コロナウィルスは、グローバライゼーションに何を問うか


毎週発行しているメールマガジンの内容をブログ形式で発信しています。
お楽しみください。

写真

皆様、こんにちは。鎌倉投信の鎌田恭幸です。
いつも鎌倉投信のメルマガを読んでいただきありがとうございます。

約30年前の1989年、東西冷戦の象徴とされたベルリンの壁が崩れ、その2年後には、ソビエト連邦が崩壊しました。この時、西側の資本主義と東側の共産主義のイデオロギー対立は、西側の資本主義陣営が勝利したかに見えました。「見えた」と記したのは、国の経済を支える枠組みとして、資本主義が相応しいと思われたものの、その後の世界経済や国家間の関係は、新たに様々な問題を引き起こし、必ずしも経済を含めた国際情勢が安定したとはいえないからです。

東西冷戦が終結した後、共産主義陣営だった東側の国々は西側の経済圏に組み込まれ、現在、社会主義体制にある国々の多くも経済重視の政策に舵をとりました。更に、情報通信技術の進化がその流れを後押しし、人、モノ、金、情報が国境を越えて自由に世界を駆け巡るグローバライゼーションが一気に加速しました。

しかし、お金で測る経済価値の規模的拡大を目的とする資本主義思想と、そこで生じた経済的問題を、マネーを供給し続ける金融政策で支えた結果、私たちは、以下の2つの不可逆的なジレンマに陥り、出口を見いだせないでいます。

(1)実体経済を遥かに上回る規模に膨張し、縮小させることのできないマネーが、金融市場の振幅の度合いを大きなものにし、経済、社会を混乱させる火種になっている。更には、(特に日本に代表される先進諸国では)お金がふえても、金融市場の中に廻るだけで、実体経済において新たな事業創造に結び付いていない。
(2)経済合理性に重点をおく企業活動によって、生産機能がグローバルに細分化された結果、非常時に素材、部品等の供給停止を招きやすい状況に陥っている。さらに、生産拠点の集中、資源の奪い合いも生じやすくなっている。

これらは、世界が協調できている状況であれば、ある程度健全に機能するものかもしれませんが、ひとたび逆流を起こすと、経済のみならず社会を麻痺させる大きなリスクをはらむものでしょう。そして、世界は今、正にそうした状況に直面しています。

しかし、新型コロナウィルス自体が、経済活動に直接的な被害を及ぼしたわけではありません。人の命や生活、すなわち社会に甚大な影響を与えたことで、結果的に経済が機能しなくなっているのです。ここで感じることは、「経済は、社会の安定があって、はじめて成り立つ」ということです。言葉をかえれば、社会の安定を損なう経済・企業活動は、「たとえ、儲かるからといっても、おこなってはならない」ということでしょう。社会と経済をつなぐ役割を担う企業の社会的責任の本質とは、本業を通じ、全体観をもってその調和を図ることであって、決して自社の利益の最大化を目的化することや、得た利益の一部を社会還元する類のものではないのです。

コロナショックが収束した後、経済や企業活動、社会の在り方は、どう変わるのでしょうか。今までのように、モノ、サービスを効率的に拡大再生産させて金銭価値、経済価値を高める、という従来型の資本主義の発想は、見直さざるを得ないのではないでしょうか。人の暮らしや生命の安全と安心を創造する、もしくは、そうした考えを土台に据えた経済活動、社会性と経済性のバランスを図ることが求められる、と感じます。それは、仮にコストがかかったとしても、リスク控除後の収益で測れば、必ずしも非効率とはいえず、持続性はむしろ高まるでしょう。

そうした観点からみれば、従来型の資本主義経済の中で生まれ、今回のパンデミックや頻発する自然災害等で表面化した社会課題を解決する事業、例えば、医療、環境、食糧、防災、働き方のプラットフォーム、大都市集中型の経済・社会システム等を構造的に変えてゆく事業への期待は、コロナ終息後も変わることはないでしょう。これらは、人の営み、社会、自然、経済との調和を図る上で、必要不可欠な事業だからです。

こうした事業分野がどれだけの市場規模を持つか、あるいは個々の事業がどれだけ成長するかの予測は困難です。しかし、様々な先端技術、知恵と工夫を用いて社会課題を解決し、社会、経済構造の転換をうながす会社は、間違いなく「これからの社会に必要とされる会社」といえるでしょう。お金で測る経済の規模的拡大ではない、ポスト・コロナ社会に向けた新たな経済思想が求められているように感じます。

鎌倉投信がお届けする「心を結ぶ」メールマガジン。是非ご登録ください。
登録フォームはこちら


資産運用に関する注意事項

投資信託のお申し込みに際しては、以下の点をご理解いただき、投資の判断はお客様ご自身の責任においてなさいますようお願いいたします。

  • 投資信託は預金または保険契約ではないため、預金保険および保険契約者保護機構の保護対象にはなりません。 また、「結い 2101」は、投資者保護基金の対象でもありません。
  • 投資信託は、金融機関の預貯金と異なり、元本および利息の保証はありません。
  • 本ホームページに記載の情報は、作成時点のものであり、市場の環境やその他の状況によって予告なく変更することがあります。 また、いずれも将来の傾向、数値等を保証もしくは示唆するものではありません。
  • 本ホームページに記載の内容は、将来の運用結果等を保証もしくは示唆するものではありません。 また、本ホームページは、鎌倉投信が信用に足ると判断した情報・データに基づき作成されていますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。
  • 本ホームページの使用権は、鎌倉投信に帰属します。
  • 「結い 2101」をご購入の際は、投資信託説明書(交付目論見書)、契約締結前交付書面および金融商品の販売等に 関する法律に基づく重要事項の説明等の重要事項説明書をあらかじめまたは同時にお渡しいたしますので、 必ずお受け取りの上、内容をよくお読みください。
  • 「結い 2101」の投資信託説明書(交付目論見書)については、鎌倉投信までお問い合わせください。