出口戦略とは(その1)


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皆様、こんにちは。鎌倉投信の鎌田恭幸です。
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新型コロナウィルスが、依然として経済、社会に多大な影響を与える中、先週8都道府県を除く39県において緊急事態宣言が解除されました。そして、その他の県を含めて経済活動とウイルスとの共存に向けた、いわゆる出口戦略の議論が活発です。緊急支援の在り方、どのような状況になれば、どこまで制限を解除する、といったような対処療法的な議論もまずは必要ですが、先々、こうした状況に至る経済構造、社会構造をどのように変革し、危機に耐え得る持続的なものにしていくか、といった本質的な議論に発展することを期待しています。

今回の新型コロナウィルスの経済・社会への影響、それに対する政府対応から改めて思うことは、

(1)グローバリゼーションは、経済活動を拡大させるという観点からはプラスであり、日本も積極的にそれを推進し、不可逆的である。一方で、2008年に起きたリーマンショックは、元を辿れば一つの金融派生商品から、そして、今回は、一つのウイルスから経済危機が世界的規模のうねりとなって押し寄せたように、負の側面(リスク)をはらむ(4月24日付メールマガジン「新型コロナウィルスは、グローバライゼーションに何を問うか」を参照)。

(2)日本は、そうした危機認識が甘く、パンデミックに対する危機管理の脆弱性は(民間企業には強く対策を求めながらも)放置されてきた。

(3)教育におけるリモート対応の遅れ、各種支援に関連する行政諸手続きの緩慢さに代表されるように、デジタル対応への遅れは、行政運営の生産性を阻害し、結果として社会的なコストとなり、リスクの拡大にもつながっている。

等です。

2012年12月に第二次安倍政権が発足して以降、憲政史上最長の政権下でおこなわれたことは、大胆な金融緩和と財政支出を主軸とした経済政策(アベノミクス)、消費税増税、労働環境や安全保障関連法制の見直し、外交活動等、様々な実績はあるものの、経済や社会の根本的な改革に対しては、一向にメスが入らず、むしろ政府の借金を秩序なく肥大化させて後世に先送りしているように思えてなりません。

今のような危機時に経済、家計を支えるためには、金融、財政出動は当然考えられますが、それはあくまで対処療法であって10年、20年と継続させるものではありません。こうした危機が生じにくい(もしくは影響を回避しやすい)社会構造、経済構造、医療・農業等の社会インフラの形を分析し、戦略的にリスクを分散させ、その実行に向けた総花的ではない予算編成および実行体制づくりが求められます。出口戦略の本質とは、経済構造、社会構造を(危機対応を含めて)いかに変革し、持続的なものにしていくか、の国家ビジョンの策定と実行にあると考えます。(つづく)

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